初の留萌等4教育局合同懇談会 〝地域の宝”へ企業が支援 家庭教育サポート企業(道・道教委 2022-04-05付)
最先端の建設技術体験など各社の取組を発表
日高、檜山、留萌、宗谷の4教育局は3月中旬、家庭教育サポート企業等オンライン懇談会「地域の子ども(たから)サポーターズミーティング」を開催した。4企業が野球教室や仕事に関係する体験事業、中学生への職業紹介など、地域に愛着を持ち、担い手となる子どもの育成に向けた取組を紹介した。
家庭教育サポート企業は、道教委と連携し家庭教育の推進を図るもの。同規模の管内で情報を交流する機会として、初の4管内合同懇談会を開催した。
発表者は、(有)橋本興業(新ひだか)の橋本勝司社長、㈱高橋建設(厚沢部)の村越晃専務、㈱堀口組(留萌)、の堀口哲志社長、石塚建設興業㈱(稚内)の飯沼剛総務部課長の4人。
橋本興業の橋本社長は「プロ野球球団と連携した教室の開催」と題し、北海道日本ハムファイターズと連携した野球教室について発表した。
地域のスポーツ少年団や部活動が縮小し続けている中、未就学児と小学生に走る・投げる・打つといった基礎的な運動能力を養い、スポーツに苦手意識なく取り組む子の育成を目指したほか、小・中学生の野球教室では、元プロ野球選手が野球技術とともに目標へ挑戦する姿勢などを伝えたことを説明し「持続可能な地域のためには、子どものころからの教育も必要」などと述べた。
高橋建設の村越専務は「中・高生を対象とした職場体験の取組」を発表。魚礁設置現場を見学し水中のビデオ撮影で魚がたくさん生息している映像を紹介したほか、北海道新幹線札幌延伸のトンネル工事現場で先端の掘削現場を見学。「小さいうちからいろいろな体験をして建設業に興味を持ってもらうとともに、将来地元に戻ってこられるベースをつくる企業でありたい」などと述べた。
堀口組の堀口社長は「萌志会(留萌建設協会二世会)による小学生へのウェブ現場見学会」について発表。平成20年の出前授業を皮切りに事業を続け、重機や測量機械に触ったり計測したりする現場体験を主としてきたことを説明した。
コロナ禍の昨年はウェブ現場見学会を開催。「ドローン測量、レーザースキャン測量、パワースーツの説明などを行い、ドローン飛行体験や、VRゴーグルを使って工事現場にいるかのような体験をしてもらった」と説明。「建設業が今こんなに楽しくて面白いと伝えたい」「小さいころに重機に乗せてもらった記憶は残る。そういったところから憧れの職業になってくれれば」などと述べた。
最後に、石塚建設興業の飯沼総務部課長が「SOYA未来プロジェクトの取組」について発表。
同プロジェクトは宗谷教育局の事業で、地域の大人が児童生徒に現在の仕事内容やその仕事をするに至った経緯、夢や希望に向かって勉強することが大事といったメッセージを動画で送ることを説明し「地域の宝とも言える子どもたちを応援したい」と述べた。
また、同社が地元の新卒の高校生を採用し社員として建築や土木の専門学校に派遣する企業委託生制度について説明。「専門の勉強を学んでくることで、資格取得はもちろん技術者として一人前になるスピードが早まる。それが離職防止にもつながる」と述べた。
稚内商工会議所青年部が主催している中学生向けの地元企業PRフェアも紹介。管内の全中学1年生約230人に36の企業・団体がかみ砕いた細やかな説明をし「企業と学校とのつながりもでき、インターンシップにもつながり始めている」と述べた。
また「中1相手の事業なので、結果が出るのは高卒でも6年後、大卒だと10年後だが、地域にとって絶対に必要な事業」「早くから地元の仕事を知ってもらうと、親や親戚、友達のお父さんなどの仕事に興味を持ち、良い刺激になる」「将来、札幌や地方に出て行っても、ふと思い出して戻ってくるきっかけになれば」などと述べた。
発表者以外の参加者も交えた交流会や開催後のアンケートでは「企業の活動が全て将来の会社や地域を担う人材の育成につながっており興味深かった」「こうした大人のアプローチが子どもの地元愛につながると思う」「仕事について教科書や動画だけでなく実際に体験できるのは素晴らしい」「子どもに体験のきっかけがあるだけでなく、大人にはつながりの機会ができている」などの感想が多数寄せられた。
また、「小中学生を対象としたお仕事フェアを開催したい」「企業とのつながりを強化したい」といった声も挙がった。
(道・道教委 2022-04-05付)
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