【解説】小学生のヤングケアラー調査
(解説 2022-04-13付)

 厚生労働省は、小学生と大学生を対象としたヤングケアラー実態調査の結果を公表した。2年度の中高生対象の調査に続き初めて実施したもの。「家族の世話をしている」と回答した小学生は6・5%で約15人に1人、大学生は6・2%で約16人に1人。ヤングケアラーと思われる子どもがいる小学校は34・1%と3割を超えた。

 小学生については、全国の小学校から350校を無作為抽出した上で調査票を郵送し、260件の回答を得た。「ヤングケアラー」の概念を知っている学校は約9割に上った。

 小学生(対象は6年生)の回答では、家族の世話をしている子が6・5%で、世話を必要としている家族は「きょうだい」が最も多く71・0%、次いで母親が19・8%。

 家族の世話をしていると回答した子は、健康状態が「よくない・あまりよくない」、遅刻や早退を「たまにする・よくする」と回答する割合が、世話をしている家族がいない子よりも2倍前後高くなっている。

 さらに「授業中に寝てしまう」「宿題ができていない」「持ち物の忘れ物をする」「提出物を出すのが遅れる」ことが多いといった割合も2倍前後となっている。

 学校や大人にしてもらいたいことは「特にない」(50・9%)が最も多く、「自由に使える時間がほしい」(15・2%)、「勉強を教えてほしい」(13・3%)、「自分のことについて話を聞いてほしい」(11・9%)などが目立つ。

 調査では「小学生のヤングケアラーは、日常生活に支障が出ていても家族の世話のためと自覚できない子が多い」と分析し「周囲の大人が意識を高め、必要な支援につながるきっかけをつくれるような体制を整えていくことが課題」としている。

(解説 2022-04-13付)

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