【解説】先進自治体の教育データ利活用(解説 2022-04-12付)
文部科学省がまとめた先進自治体等における教育データ利活用の実態調査によると、教育データは現状の把握(全体傾向の把握や施策の効果測定)または個々の児童生徒への支援(リスク管理やフィードバック)、あるいは両方の目的で活用されている。
諸外国の事例をみると、英国では2002年に各学校から収集したデータをもとに児童生徒の学習到達度、欠席や停退学の状況、支援が必要な子どもの情報をまとめた全国児童生徒データベースを構築。子ども向けサービスの質の改善や全国統計、予算配分、学校評価等で活用している。
国内では滋賀県大津市教委がAIを活用していじめ事案のデータを分析している。過去のデータを蓄積して新たな事案が発生した場合の傾向等を予測。対応や注意点を示すことで教職員の対処に役立てている。
教育データの利活用が広がる一方、児童生徒のプライバシーの保護をはじめとした安全・安心の確保が課題となっている。
このため文科省の教育データの利活用に関する有識者会議は11日の会議で、安全・安心の確保に向けた論点を提示した。セキュリティの安全な管理、卒業後のデータの取り扱い、本人の望まない形でのデータ利用などの懸念が生じていることから、公教育データを安全・安心に利活用するため、不可欠な留意事項を検討する。今後、想定される個人情報やプライバシーの保護などに関する具体的な論点を洗い出し、検討を深める点を精査する。
デジタル庁は本年度新たに開始するこどもに関する各種データの連携による支援実証事業の委託先として埼玉県戸田市など7団体に決定した。教育・保育・福祉・医療等のデータを活用し、子どもや家庭への支援に活用する際の課題等を検証する。
(解説 2022-04-12付)
その他の記事( 解説)
【解説】日本財団 若者対象に意識調査
日本財団は、国内をはじめアメリカや中国など6ヵ国の若者を対象に国や社会に対する意識調査を行った。国内をみると、自分は「人に誇れる個性がある」「他人から必要とされている」などの質問に肯定的に...(2022-04-20) 全て読む
【解説】教員志望減少に関する調査
教員のなり手不足が深刻化する中、日本若者協議会は教員を志望する学生を対象に教員志望減少に関するアンケートを行った。教員志望の学生が減っている理由について、回答した大学生らの9割超が長時間労...(2022-04-19) 全て読む
【解説】学校給食の安定提供へ調査
文部科学省は、安定的な学校給食提供体制の構築に関する調査研究報告書をまとめ、ホームページに公開した。 2年3月、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い全国の学校で一斉臨時休業を実施。学校...(2022-04-15) 全て読む
【解説】18歳成人に関する意識調査
4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられることから、日本財団は国内の17~19歳までを対象に行っている意識調査で「18歳成人・18歳の価値観」を調べた。成年年齢の引き下げを「知っていた」...(2022-04-14) 全て読む
【解説】小学生のヤングケアラー調査
厚生労働省は、小学生と大学生を対象としたヤングケアラー実態調査の結果を公表した。2年度の中高生対象の調査に続き初めて実施したもの。「家族の世話をしている」と回答した小学生は6・5%で約15...(2022-04-13) 全て読む
【解説】変形労働時間制の導入状況
全国都道府県教育長協議会は、3年度研究報告書『教員の働き方改革の推進について』をまとめた。 長期休業期間の休日のまとめ取りが可能となる1年単位の変形労働時間制を導入するための条例を改正...(2022-04-11) 全て読む
高齢期職員活躍へ総務省報告
5年度から国家公務員の定年が段階的に引き上げられ、13年度からは65歳となる。地方公務員も同様に各自治体の条例で定めることとされている。 今後、60歳以降も働く高齢期職員が幅広い職域で...(2022-04-08) 全て読む
道教委 教頭の業務負担軽減
道教委の第2期学校における働き方改革北海道アクション・プランでは、時間外在校等時間(教育職員の在校等時間から所定の勤務時間等を減じた時間)を1ヵ月で45時間以内、1年間で360時間以内とす...(2022-04-07) 全て読む
【解説】道ケアラー支援条例が施行
道ケアラー支援条例が1日から施行となった。児童生徒が家族の介護で学業に専念できないことなどが問題となっているヤングケアラーの支援体制の構築などが本格化する。 これまで行政は介護等を必要...(2022-04-06) 全て読む
【解説】指標の関連授業、大学98%
道教委は、道における教員育成指標に関するアンケート調査分析をまとめた。育成指標に関連する授業科目があると回答した大学の割合は98・1%となり、概ね関連するカリキュラムを実施していることが分...(2022-04-05) 全て読む