高齢期職員活躍へ総務省報告
(解説 2022-04-08付)

 5年度から国家公務員の定年が段階的に引き上げられ、13年度からは65歳となる。地方公務員も同様に各自治体の条例で定めることとされている。

 今後、60歳以降も働く高齢期職員が幅広い職域で活用できる人事管理の在り方を検討する必要があることから、総務省は3年度に検討会を設置。自治体の再任用職員に関する人事管理や活躍事例を調査して報告書をまとめた。

 内容をみると、58団体を対象に調査した結果、多くの団体で退職時より下位の職位(非管理職)で再任用していることが分かった。上下部下の逆転による忌避感が生じないよう同一職場にならない配慮とする団体も見られた。

 多くの団体で、職員の知識や経験を生かし本人の希望や職場のニーズを踏まえた配置を行っており、業務経験のほか行政経験や人脈を生かせる窓口や相談業務、マネジメント経験を生かせる管理業務に従事させている団体もあった。

 これらを踏まえ、高齢期職員が活躍する基本的な考え方を整理。期待される役割として「業務担当の即戦力としての活躍」「若手職員の支援による次世代への知見の伝承」「管理職経験を生かした上司のフォロー・サポート」「管理職時代に気づいた業務改善等の課題への実践」を挙げ、役割を明確化した上で本人や周辺の理解を深める工夫が重要としている。

 職員の知識や経験を生かせる業務配置のためには面談等を通して希望を確認することが望ましいとし、庁内公募や特定分野のスペシャリストを認定する仕組みがモチベーションの維持に有効とした。

 50代前半など早い段階から高齢期を見据えたキャリア形成や働き方を意識すること、人事管理や給与の違いを十分に理解してもらうことが必要としている。

(解説 2022-04-08付)

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