【解説】学校給食の安定提供へ調査(解説 2022-04-15付)
文部科学省は、安定的な学校給食提供体制の構築に関する調査研究報告書をまとめ、ホームページに公開した。
2年3月、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い全国の学校で一斉臨時休業を実施。学校給食も長期にわたり休止となり、キャンセルとなった食材の扱いなどの課題が生じた。
報告書では、学校設置者や事業者へのヒアリングの結果から①大量の食品廃棄物の発生②事業者の売り上げ減少―に関する課題と解決策を整理した。
①では、学校給食の現場では食材の賞味期限を確認して献立を組み替えるなど調整・変更を行っていたと報告。不要となった学校給食用食材の破棄を減らす学校設置者の取組として「自治体内での調整」「民間団体との連携による食材の活用」「市民への低価格での販売」の対応が見られたとし、関係部署と連携して保育所等で食材を活用した大阪府泉南市、フードバンクと連携して病院へ食材を無償提供した千葉県流山市、冷凍食品を市民に特別価格で販売した茨城県筑西市の事例を取り上げている。
②では、ヒアリングの結果「学校給食食材に関する契約書がない」「契約書があっても発注行為の記載がない」「キャンセル条項の記載がない」ケースが多いことが明らかになったため、契約書の作成や発注日、キャンセル日数の明記が必要とし、今後同様の事態が発生した場合に備えたモデルケースを作成した。学校設置者と事業者が契約書を作成する前段階として、取引関係の円滑化に向けた事務処理体制の検討が必要と指摘している。
このほか、栄養教諭が契約に関する事務を担っている学校があり、学校設置者が契約と事務体制の両輪を整備することが、安定的な学校給食を提供する体制づくりに必要としている。
(解説 2022-04-15付)
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