キャリア・パスポート作成で筑波大教授　教師の対話的関わりを　道教委　高校進路指導対策会議

（道・道教委 2022-04-25付）

　道教委は２１日、高校進路指導対策会議をオンライン開催した。筑波大学人間系の藤田晃之教授がキャリア教育の実践をテーマに講演したほか、過労死等防止対策推進北海道センターが労働問題・労働条件に関する啓発授業を紹介した。道内の学校・行政関係者約１８０人が参加し、進路指導に関する知見を共有した。

　会議は、高校・特別支援学校高等部における進路指導上の諸問題への理解を深め、地域、学校の実態に応じた進路指導の充実や雇用対策の円滑な推進を図ることが目的。公立・私立高校等の進路指導担当教員、就職支援教員、道教委・札幌市教委の指導主事ら約１８０人が参加した。

　開会に当たり山城宏一高校教育課長があいさつ。成年年齢の引き下げに伴い多くの高校３年生が自らの意思で契約を結ぶことができるようになったことから、労働問題に関する教育の充実に取り組むよう求めた。

　早期離職者の減少に向けては、地域や産業界と連携したキャリアガイダンスの充実などが求められているとし「進路指導に関する情報を共有し、これからの北海道の将来を担う生徒たちの進路指導の充実に生かしてほしい」と呼びかけた。

　続いて藤田教授が「新学習指導要領を踏まえたキャリア教育の実践」と題して講演。公民科の新科目「公共」のほか、児童生徒の活動を記録するキャリア・パスポート活用の留意点を説明し、作成・振り返りにおける教師の対話的な関わり、校種間の確実な引き継ぎの重要性を説いた。

　つぎに、教育・労働・建設企業等の関係機関から就業体験活動や進路・就労サポートなどについて説明。このうち過労死等防止対策推進北海道センターの皆川洋美事務局長は厚労省による労働問題・労働条件に関する啓発授業を周知した。

　最後に「進学」「就職」「特別支援」の３分科会を実施。各学校の実態に応じた進路指導の説明を行ったほか、進路指導の効果的な事例を発表した。

(道・道教委 2022-04-25付)