第1回全道代表高校長研 道教委所管事項④(道・道教委 2022-04-25付)
◆生徒指導・学校安全課
【生徒指導について】
▼いじめ問題への対応
◇学校いじめ防止基本方針について
▽学校いじめ防止基本方針を必ず入学時・年度始めに配布し、生徒、保護者に説明するとともに、学校ホームページに掲載して地域住民にも周知していただきたい。
▽学校いじめ防止基本方針を保護者に説明する際には、3年1月29日付教生学第785号に添付した保護者向け資料「いじめ防止対策推進法に基づく本校の取組について」のひな形を活用し、学校の対応窓口や相談窓口を確実に周知すること。
◇いじめの実態把握等について
▽いじめの把握のためのアンケート調査(年2回。5月、10月ころ)
▽いじめの問題への対応状況の調査(年3回。6月、9月、11月ころ)
▽いじめの問題への取組状況の調査(年2回、5月、11月ころ)
▽アンケート調査についてはウェブ上での実施ができるように準備をしている。本年度は学校判断によって紙ものとウェブでの実施を選択できるように調整中。
▽いじめの認知がゼロだった学校はその事実を生徒や保護者に公表し、検証を仰ぐ取組をし、認知漏れがないことを確認すること。
▽いじめ行為によって被害生徒が通常の学校生活を送ることができない事案、保護者への対応に苦慮している事案などは教育局を通じて対応状況を報告すること。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、道いじめ問題等解決支援外部専門家チームなど外部の専門家を積極的に活用し対応していただきたい。
◇学校いじめ対策組織について
▽教職員は一人で抱え込まないこと、また、学年内や指導部内の情報共有にとどめることなく学校いじめ対策組織で直ちに情報共有し、対策組織が中心となって迅速かつ適切に対応すること。
▽対策組織については、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、弁護士、医師、警察官経験者などの専門家の協力を得て実効性のある対応とすること。
▽学校いじめ防止基本方針が適切に機能しているか点検し必要に応じて見直すこと。
▽道いじめ防止基本方針のポイントを参考に、学校での対処マニュアルを全教職員で確認し、必要に応じて見直すこと。
◇いじめの積極的な認知について
▽全教職員がいじめ防止対策推進法におけるいじめの定義を再確認し、積極的な認知の重要性を理解し、早期発見・早期対応の取組を行うこと。
▼不登校生徒・中途退学への対応
▽不登校生徒への支援に当たり、学校での居場所づくり、絆づくりを進めること。
▽組織的・計画的な支援や民間の団体との連携による支援、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、関係機関との連携による教育相談など、一人ひとりの生徒の状況に応じた支援を進めていただきたい。
▽感染不安を理由に登校しない生徒について、学校での感染防止対策について丁寧に説明するとともに、不安を和らげるための相談対応に努めるなど、生徒や保護者の気持ちに寄り添った適切な支援を進めていただきたい。
▽特に高校の場合は、不登校から中途退学に至るケースが見られており、保護者と学校の間で学校生活や学業への不適応などによって中途退学する生徒が少なくないことから、学習指導や将来の進路を考えさせる指導や望ましい人間関係構築に向けた指導の充実に努めるなど、中途退学の未然防止の観点からの支援をお願いする。
▼自殺予防教育
▽教職員が授業等で生徒のストレスの対処の様子等をきめ細かく把握し、教職員間で共有しながら生きることの安心感を育む日常的な取組の実現に向け、研修を実施すること。
▽自殺予防教育プログラムの「援助希求的態度の育成」「ストレス対処能力の育成」「早期の問題認識(心の健康)」を教育課程に位置づけ、実施すること。
▽道教委では本年度、ICTを活用したアセスメントツールなどの試行を検討している。不安や孤独感を抱える一人ひとりに寄り添ったケアを行うため、学校での相談体制の改善を図り、生徒の命と心を守るための取組の充実をお願いする。
▼児童虐待への対応
▽学校が通告を迷い対応が遅れるケースや、一時保護期間中の指導要録上の出席の取扱が適切ではないケースもあることから、国の手引きや道教委作成の資料を活用し、児童虐待が発生した場合の対応を再度、全教職員で確認していただきたい。
▼校則公表、見直し等の取組
▽3年12月20日付教生学第856号通知「校則の見直し等に関する取組について」によって校則の見直しに積極的に取り組んでいただきたい。
▽校則の見直しは、最終的には当該学校の校長の権限において適切に判断されるものであるが、見直しに当たっては、生徒が話し合う機会を設けたりPTA役員などの保護者から意見を聴取したりするなど、生徒や保護者が参加した上で決定することが望ましい。また、見直しの手続き等を明らかにし、生徒や保護者に周知すること。
▽身体的特徴(頭髪の色や性質など)や性自認などについて配慮し、生徒の人権を尊重した内容となるよう、見直しを行うこと。特に「地毛証明」の届出については見直すこと。
▽学校ホームページで校則を地域住民に公表すること。また、学校運営協議会など地域の意見を参考にしたりするなど、定期的に校則を見直すことができる仕組みをつくること。
▽校則の改正に必要な手続きを明文化して生徒や保護者に示すこと。
▼ヤングケアラーへの対応
▽4月に道ケアラー支援条例が施行され、ヤングケアラーの支援にかかる学校をはじめとする教育機関の役割が示された。
▽各学校においては、教職員がヤングケアラーについて理解を深め、スクールソーシャルワーカーを活用するなどして適切な福祉や医療の関係機関につなげることが重要。
▽道教委では今後、オンデマンドによるヤングケアラーの研修等を計画していることから、校内研修等を通じてヤングケアラーについて理解を深めるとともに、教育の機会確保など組織的に支援に取り組むようお願いする。
▼LGBT調査
▽道教委では前年度、学校での性自認等にかかる生徒への支援や相談体制などの取組状況を把握するための調査を実施。調査結果については専門家による分析を踏まえ、今後、公表予定。
▽学校は性的指向や性自認等にかかる理解を深め、配慮が必要な生徒への適切な支援や周囲の生徒への必要な指導を組織的に行うことが重要。学校での生徒への支援や相談体制などの取組状況について把握し、学校の実情に応じた支援を行っていただきたい。
▼スクールカウンセラー(SC)ガイドラインおよびスクールソーシャルワーカー(SSW)ガイドライン
▽児童生徒が抱える課題への対応については、学校だけで対応することが困難な場合も多く、心理の専門家であるSCや福祉の専門家であるSSWを活用し、教職員がチームで支援を行うことが重要。3年3月26日付教生学第967号通知によって各学校に配布した本ガイドラインを積極的に活用いただきたい。
▼PC端末等を活用した相談窓口の新設
▽不登校の児童生徒や学校の教職員に面と向かって相談できない生徒の相談窓口として、新たな相談窓口おなやみポスト(仮称)を開設する予定。
▽道教委ホームページに投稿フォームを設け、教育局を経由して各学校にメールを転送する仕組み。
▽生徒がスマートフォン等の情報端末にブックマーク登録をするなどして、利用できる窓口として考えている。
▽各学校においては、メールが届いた場合に、相談した生徒の話を聞き、相談内容に応じて適切に対応できるよう相談体制の整備をお願いする。
【学校安全について】
▼防災教育の充実
▽高校生が地域の防災・減災について主体的に考えることを通して防災意識の向上を図るため、前年度は高校生防災サミットおよび高校生防災カフェを開催し、サミットには27校87人、カフェには40校136人が参加。また、教科等横断的な視点で系統的・体系的な防災教育、家庭や地域が連携した防災教育の推進を目的とした1日防災学校では、関係部局から講師の派遣や資機材等を提供し、全道92校で実施した。未実施の学校については、積極的に本事業を活用し実施するとともに、前年度実施した学校においては継続して実施することをお願いする。
▽防災・減災に関する提言を作成し、全道に発信し高校生の防災意識の向上という前年度の成果を踏まえ、本年度も両事業とも引き続き実施予定である。
▽防災教育に取り組んでいる高校はもとより、取り組んだことがない学校についても積極的な参加をお願いする。
▼交通安全指導
▽昨年、登下校中の事故も含めて、自転車乗車中の事故が多数発生。
▽発生事故の概要として、ヘルメットを着用せず自転車で走行し、頭部に重傷を負った事故や、自転車で歩道を走行し、スピードダウンや一時停止などを守らなかったために歩行者を負傷させた事故などがある。
▽自転車乗車中に携帯電話やヘッドホンを利用したいわゆる「ながらスマホ」によって高校生が小学生に接触し、負傷させ加害者となった事件が発生。
▽各学校において、年度初めに自転車安全利用五則を踏まえた自転車の安全利用について指導を徹底し、交通事故の防止に万全を期していただきたい。
【自転車安全利用五則】
①自転車は、車道が原則、歩道は例外
②車道は左側を通行
③歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
④安全ルールを守る
⑤子どもはヘルメット着用
▼授業中の熱中症対策
▽熱中症対策については、4年2月10日付教生学第997号でお知らせした。
▽熱中症は生命に関わる病気であり、それほど気温の高くない環境下でも熱中症を引き起こすことがある。
▽各学校において、気温に対応した服装や、熱中症防止のための持ち物など、気温や湿度などの環境条件に配慮した校内生活に関するルールについて、保護者の考え方、生徒の実情、地域の状況を踏まえ、適切に設定するなどして熱中症の予防に努めるようお願いする。
【道内公立高校(札幌市を除く)における非行事故(速報)の状況(3月31日現在)】
▽非行事故=3年度49件、2年度46件、3件増
▽児童虐待や家出、わいせつ被害、いじめの重大事態など、生徒の生命に関わる事案や緊急の対応が必要な事案については、事実が判明した時点で、関係生徒の状況や学校の対応も含めて、速やかに報告いただきたい。
(道・道教委 2022-04-25付)
その他の記事( 道・道教委)
公立高配置計画検討協議会〈胆振西・東〉 胆振西 8~11年度2~3学級相当減 胆振東 11年度まで1~2学級相当減
◆胆振西学区 【室蘭発】道教委は18日、公立高校配置計画地域別検討協議会(胆振西学区)をオンライン開催した。学区内の教育関係者約40人が参加。8~11年度までに2~3学級に相当する中学卒...(2022-04-26) 全て読む
日高局 公立高・特校長・事務長会議 小中高連携強化を提案 行徳局長 教育推進の重点説明
【苫小牧発】日高教育局は20日、日高合同庁舎で管内公立高校・特別支援学校長・事務長会議を開催した。管内8校の校長・事務長16人が出席。行徳義朗局長が管内教育推進の重点を説明したほか、小・中...(2022-04-25) 全て読む
道教委 中1ギャップ未然防止事業 4年度46校で研究 新規は旭川光陽中など8校
道教委は、中1ギャップ問題未然防止事業の4年度推進地域・推進校として15中学校区46校を決定した。このうち新規は旭川市立光陽中学校など4中学校区8校で、子どもの人間関係づくりの能力の育成や...(2022-04-25) 全て読む
キャリア・パスポート作成で筑波大教授 教師の対話的関わりを 道教委 高校進路指導対策会議
道教委は21日、高校進路指導対策会議をオンライン開催した。筑波大学人間系の藤田晃之教授がキャリア教育の実践をテーマに講演したほか、過労死等防止対策推進北海道センターが労働問題・労働条件に関...(2022-04-25) 全て読む
石狩管内4年度教育推進の重点 資質・能力確実に育成 田中局長 全ての子の幸せのため
石狩教育局の田中賢一局長は4月上旬、管内小・中学校長会議で4年度管内教育推進の重点を説明した。「社会で活きる力の育成」「豊かな人間性の育成」など6つの目標を示すとともに「全ての子どもの幸せ...(2022-04-25) 全て読む
十勝管内4年度教育推進の重点 動画教材等で学校支援 新山局長 重点化図った取組を
【帯広発】十勝教育局の新山知邦局長は、11日に幕別町内の十勝教育研修センターで開いた管内小中学校長会議で4年度管内教育推進の重点を説明した。「社会で活きる力の育成」など5項目を提示し、重点...(2022-04-22) 全て読む
道立学校男性職員の育児 チェックシート導入 道教委 育休取得状況など管理
道教委は「男性職員の育児計画チェックシート」を新たに作成し、道立学校での導入を開始した。子どもの出生に当たり管理職員が職員と相談して作成するもの。出産予定日に応じて関係休暇や育児休業の取得...(2022-04-22) 全て読む
道内学校臨時休業 11~17日 学校閉鎖32校・園に 学年・学校閉鎖増加傾向
道教委は、新型コロナウイルス感染症の罹患に伴う道内学校の臨時休業の状況(4月11~17日)をまとめた。札幌市を含む道内の公立・私立の学校、幼稚園2268校・園のうち、学級閉鎖は69校・園、...(2022-04-22) 全て読む
第1回全道代表高校長研 道教委所管事項③ ICT サイト等で情報発信 小・中・高12年見通し学力向上
◆学力向上推進課 当課は学力向上の取組の一層の充実を図り、教育効果を高めていくためには、小学校から高校までの学力の実態把握や分析等を一体的に実施し、それを踏まえた一貫した授業改善を行うな...(2022-04-22) 全て読む
胆振管内4年度教育推進の重点 子供が「まん中」の学校 針ケ谷局長 地域連携など追加
【室蘭発】胆振教育局の針ケ谷一義局長は13日、オンライン開催の管内小・中・義務教育学校長会議で、4年度の管内教育推進の重点を説明した。推進テーマは「子供が“まん中”の学校づくり」。重点では...(2022-04-22) 全て読む