道教委 北海道CLASSプロジェクト 地学協働の取組本格化 まち・ひと・しごとと学びの絆を
(道・道教委 2022-05-10付)

 道教委の北海道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)が2年目を迎える。5~7月にも各推進校がコンソーシアム会議を開催し取組を本格化させる。地域を担う人材の育成のみならず「社会教育と学校教育の連携・協働」による「地域創生の実現」を目標に掲げる同プロジェクトは、地域社会からも注目を集めている。

 同プロジェクトは、地域と学校との連携・協働体制の整備と「まち・ひと・しごと」と「学び」の絆づくりを目指し3年度にスタート。生徒の育成のみならず「社会教育と学校教育の連携・協働による地域創生の実現」を目標に掲げていることが大きな特徴だ。

 事業の中心となる学校を「推進校」として道央、道南、道北、道東のブロックごとに指定。それぞれ当別高校、白老東高校、上富良野高校、帯広三条高校が推進校となっている。

 推進校は、地域ならではの新しい価値を創造し、地域を支える人材の育成に向け、地域を知り親しむ機会を創出。地域をフィールドとした学習活動の拡充や、生徒による地域探究型の学習を展開する。推進校には、高校と自治体や産業界をつなぐ地域コーディネーターを配置。高校と地域の協働体制を構築するとともに、地域課題探究型のキャリア教育を推進する。

 また、各推進校は地域の役場職員や大学、農協、商工会など、地域の代表者を構成員とする「コンソーシアム」を組織。学校だけで企画立案するのではなく、直接地域の声を聞きながら具体的な活動を決定する。

 推進校の3年度の取組をみると、帯広三条高は大学と連携し地域医療の課題に迫ったほか、地域在住の外国人との交流、市役所と連携した住民の政治参加と地域づくりの考案など、生徒が地域の様々な人材と関わりながら、自らの生き方や世の中の在り方を主体的に考える取組を展開した。

 また、白老東高は苫小牧市からの通学が多い中、地元白老町のアイヌ文化や商店街、観光、産業などをあらためて知るため、名古屋外国語大学と連携したフィールドワークを実施。アイヌ文化や商店街をPRする動画の制作などを行い、実際に町を歩き住民と接する中で「白老町の良さをたくさん発見した」「何よりもまちの人が魅力的」など、まちや住民に対する考えを大きく変化させた。

 道教委では「昨年は地学協働の取組をカリキュラムにどう位置づけていくかを考え、また、外部と組むとこんなことができるというメリットを少しずつ学校全体に認知させていく年だったと思う」と振り返り「ことしはいよいよ本格的な実践を行う年。推進校の4校は同じ地学協働の推進でも、各校が異なる視点を打ち出しており、それぞれの実践にぜひ注目してほしい」と話している。

 各推進校は本年度、当別高は5月30日に、白老東高は6~7月に、上富良野高は6月24日に、帯広三条高は5月末~6月にコンソーシアム会議を開き、地域住民らとともに本年度の活動を決定。プロジェクトの取組を本格化させる。

(道・道教委 2022-05-10付)

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