道教委が全道生徒指導連絡協議会 いじめは積極的認知を 文科省等が対応の徹底要請(道・道教委 2022-05-10付)
オンラインで全道150人が参加した
道教委は4月下旬、第1回全道生徒指導連絡協議会をオンライン開催した。全道の教育局や市町村教委の指導主事ら約150人が参加。いじめへの対応について文部科学省や道教委の担当者が説明し、あらためて理解の徹底を図った。特に、いじめの認知については「積極的に認知することが第一歩」「認知件数は子どもに寄り添った数」「認知しないイコールやらなくていいということではない」など、ゼロを目指すのではなく、積極的に認知し早期に組織的対応を行うよう求めた。
協議会は、いじめ、不登校などの対策や連携の在り方などの説明を行い、生徒指導上の諸課題への指導助言の充実に資するもの。道教委教育委員会室からオンラインで実施した。
はじめに泉野将司生徒指導・学校安全課長があいさつ。「本日は、喫緊の課題であるいじめ問題への対応について協議を深めたい」「道教委としては、市町村教委や学校と連携し、いじめの未然防止や積極的な認知、早期発見・早期対応について、軌を一にして取組を徹底していきたい」などと述べた。
続いて松田卓也課長補佐が生徒指導・学校安全にかかる取組の充実について説明。「生徒指導は、学習指導と並ぶ学校の重要機能」と述べた上で―
「いじめは子の命や心を深く傷つけるものであり、積極的に認知することが第一歩。そして早期の組織的対応が大切」
「自殺予防は、全教職員が危機意識を持ち、教育課程に位置づけるなどしっかり行ってほしい」
「校則は絶えず見直すことが大切。特に生徒の人権を尊重した内容となるよう見直しを行うとともに、校則改正の手続きを明文化し生徒に示すこと」
「児童虐待については『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』を必ず活用し、虐待が疑われるときはちゅうちょなく通告を」
―などと重要ポイントを説明し、適切な対応を求めた。
続いて、文科省の蓜島尚範初等中等教育局児童生徒課生徒指導室いじめ・自殺等対策専門官が「いじめへの対応について」説明。
「“いじめの認知件数は子どもに寄り添った数”と繰り返しお伝えしているのだが、2割を超える学校が年間の認知件数がゼロと回答している。個人的にはゼロはあり得ないと感じている。逆に認知件数が多い学校は頑張っている学校だと思う」「認知しないイコールやらなくていいということではない。いじめをきちんと解消できている学校は、とにかく学校と教育委員会の連携がいい。教育委員会には、ぜひ学校が報告して良かったと思えるような仕組み、体制を整えてほしい」などと述べた。
また、学校の対応について「アンケートはやるのが目的ではなく、声を吸い上げるのが目的」と注意を促し、相談体制について「子どもは大好きな先生だから相談できない、親に心配をかけたくないから相談したくない、といった心理を持っている。逆に、知らない人ほど安心して相談できるので、たくさんのチャンネルを提供し、子どもが困ったときに相談に乗れるようにしてほしい」などと求めた。
このあと、生徒指導・学校安全関連事業の指導助言のポイントについて道教委から説明。情報を共有し、今後の実践に備えた。
(道・道教委 2022-05-10付)
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