道中総会・研修会の道教委・中澤局長講話〈下〉 いじめ 校長主導で対応を 当事者意識を持って不祥事防止
(道・道教委 2022-05-10付)

【ウィズコロナ・ポストコロナにおける新たな学び~これからの時代に向けた教育環境の創造】

▼生徒指導の充実

 生徒指導は学習指導と並んで学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすもの。

 各学校においては、校長がリーダーシップを発揮し、生徒の自己指導能力を育む多様な教育活動を展開できる学校運営を行っていただくようお願いする。

▽いじめ問題への対応

 いじめの対応について、いじめは子どもの命や心を深く傷つける深刻な問題であり「いじめを積極的に認知することは、いじめへの対応の第一歩である」という認識のもと積極的な認知と早期の組織的な対応が重要である。

 各学校においては、あらためていじめ防止対策推進法に基づく「いじめの定義」「積極的な認知の重要性」について全教職員で再確認するとともに「いじめではないか」と疑いを持った教職員が一人で抱え込まないよう、学校いじめ対策組織でただちに情報を共有し、校長のリーダーシップのもと迅速かつ組織的に対応していただくようお願いする。

▽自殺予防

 自殺予防については、生徒が抱えている不安や悩みなどのSOSを受け止め、早期に危機を発見する教育相談体制の整備や各種相談窓口の周知など全教職員が危機意識を持ち、家庭や地域の関係機関と連携し取り組むことが重要である。

 各学校においては、SOSの出し方に関する教育を含めた自殺予防教育を教育課程に位置づけるなど、生徒の発達の段階に応じた組織的・体系的な取組を進めるとともに、学級担任や養護教諭、生徒指導担当者、スクールカウンセラーなどの連携による教育相談体制を整備し、不安や孤立感を抱えている生徒に寄り添った心のケアに努めていただくようお願いする。

▽不登校生徒の対応

 不登校生徒の対応については、一人ひとりの状況に応じて教育支援センターやフリースクールなどとの連携、ICTを活用した学習支援など、多様な教育機会を確保することが重要である。

 各学校においては、道教委が作成した『ICTを活用した不登校児童生徒への“学びを止めない”“心を近づける”学習支援実践事例』を活用するなどし、1人1台端末を活用した授業配信による家庭や教育支援センターでの学習支援や生徒間の交流活動など、生徒一人ひとりが安心して学びに向かう環境づくりに取り組んでいただくようお願いする。

 生徒の欠席が続いたとき(目安として連続5日)は、学校と関係機関の連携・協力によって児童生徒理解・支援シートを作成し情報共有を図るとともに、支援の進ちょく状況に応じて内容を見直すなど、継続してきめ細かな支援を行っていただくようお願いする。

▽生命(いのち)の安全教育

 子どもたちが、性犯罪・性暴力の加害者にも被害者にもならないためには、生命の尊さを学び、自分や相手を尊重する態度など、小学校から発達の段階に応じて身に付けることが重要である。

 各学校においては、道教委が作成した『子供や若者を性暴力の当事者にしないための生命(いのち)の安全教育実践事例』などを活用し、道徳や特別活動などにおいて福祉や医療、警察などの関係機関とも連携して取り組んでいただくようお願いする。

▽新たな教育相談窓口

 教育相談窓口について、道教委では、いじめ被害など生徒の不安や悩みなどのSOSを受け止め、速やかに対応することができるよう1人1台端末等を活用した相談窓口を開設する。

 本窓口は、パソコンやスマートフォンなどウェブサイトにアクセスできる端末から利用が可能であり、ウェブ上の入力フォームに生徒が相談等を入力すると、教育局、市町村教委を通じて学校に悩み等を伝えることができる仕組みである。

 1人1台端末にブックマークするなどして、臨時休校の際や不登校の生徒が自宅にいても相談できることを想定している。

 各学校においては、本相談窓口を効果的に活用していただくようお願いする。また、これまで実施してきた24時間対応の電話やメールによる相談窓口についても、生徒に周知していただくようお願いする。

▽性の多様性への対応

 性自認等にかかる生徒への対応については、全ての生徒が安心して学べる環境づくりを進めることが重要である。

 各学校においては、生徒が互いの違いを認め合い、共に支え合う望ましい人間関係を育む取組を進めるとともに、校内サポートチームの設置、医療機関やスクールカウンセラー等と連携した教育相談体制の充実を図っていただくようお願いする。

▽ヤングケアラー

 ヤングケアラーについては、4月に道ケアラー支援条例が施行されたことを踏まえ、学校をはじめとした周囲の大人がヤングケアラーに気付くことができるよう、ヤングケアラーに関する理解を深め、福祉等の関係機関での支援につなぐことが重要である。

 各学校においては、研修等によって教職員の理解促進を図り、教職員による日常の観察や対話、スクールカウンセラーによる教育相談等を通じて支援の必要性を把握するとともに、スクールソーシャルワーカーを積極的に活用して地域における福祉などの機関との連携を深め、適切な支援につなげられるよう取組をお願いする。

▽児童虐待への対応

 児童虐待対応については、地域や関係機関とより効果的な連携を図り、予防、早期発見、虐待を受けた生徒への支援が重要である。

 各学校においては『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』を必ず活用し、学校・教職員の役割と責務、通告の判断や通告の仕方、一時保護中の指導要録上の出席の取扱い等について全教職員で共通理解を図るとともに、児童虐待が疑われる場合、ちゅうちょなく児童相談所等へ通告していただくようお願いする。

▽学校における働き方改革の推進

 3年3月に策定した北海道アクション・プラン(第2期)において「働き方改革は学校の教育目標の実現に向けて、限られた人的・物的資源をどのように投入するかという学校マネジメントそのものである」と示し、各種取組を進めてきた。5年度までの取組期間のうち本年度は2年目に当たる。

 3年度の働き方改革推進校において、働き方改革の理念を正しく理解し、働き方改革手引『Road』を活用した取組などに積極的に取り組んだ結果、推進校35校の時間外在校等時間が月平均で前年比7時間20分減少するなど成果が出ている。

 アクション・プランでは「個の気付き」「チームの対話」「地域との協働」の3点を特に重視する視点として掲げている。各学校においては、働き方改革の取組を検討するコアチームを設置して議論しながら、各学校の実情に応じた実効ある取組を行っていただくようお願いする。

▽部活動の在り方

 道教委では、部活動の教育的意義を踏まえ、各学校における部活動が、生徒や教員の負担軽減に配慮しながら、生徒の視点に立って充実が図られることを目的として平成31年1月に部活動の在り方に関する方針を策定した。

 この方針では、生徒が教育課程内の活動、部活動、学校外の活動、その他の食事、休養および睡眠等の生活時間のバランスの取れた生活を送ることができるとともに、心身の成長にも配慮して、部活動休養日は週当たり2日以上設けること、1日の活動時間は長くとも平日は2時間程度、学校の休業日は3時間程度とすることとしている。

 校長の皆さんには、大会前の特例などで休業日に4時間程度指導した教員に対し、勤務時間の割り振り変更などを活用して適切に対応していただくようお願いする。

 その他、指導に当たる教員の負担軽減を鑑み、部活動指導員や外部指導者を任用する際には、ほっかいどう部活動サポーターバンクを活用願う。

▽服務規律の保持

 教職員の服務規律の保持については、従来から機会あるごとに注意を喚起してきたところだが、依然として不祥事が後を絶たない状況である。

 3年度においては、懲戒免職処分6件を含む66件の懲戒処分を行ったところだが、前年度と比べて懲戒処分件数が増加しており、依然として憂慮すべき状況である。

 特に、わいせつ事故については、生徒を自分の車に乗せたり、私的にメールやLINE等を使用したりすることをきっかけとして、事故につながることが多いことから、道教委では平成27年3月にSNS等によって児童と私的な連絡を行わないなど、連絡手段の適切な取扱いを指導する通知を発出した。この通知などを参考としてわいせつ事故の防止に向けた適切な対応をお願いする。

 また、例年生徒の個人情報が記載されている書類を校外に持ち出して紛失したり、校内での管理不備によって紛失するなど、取扱いに特に慎重を要する情報にかかる事故が発生している。個人情報の取扱いについて職場内で研修を行うなどして、管理職員を含めた全職員が当事者意識をもって業務に当たるよう所属職員に指導願う。

 飲酒運転については、平成27年12月に北海道飲酒運転の根絶に関する条例が制定され、道民を挙げて飲酒運転の根絶に取り組んでいるところだが、3年度において3件の懲戒処分を行うなど、近年、増加傾向にある。勤務時間外の私生活を含め法令順守を徹底するとともに、所属職員に対しより一層危機感をもって指導していただくようお願いする。

 また、体罰については児童の人権や人格を侵害する行為であり、学校教育法によって厳に禁止されている行為である。あらためて所属職員に対し、体罰に対する正しい認識と自ら体罰を起こさないための感情のコントロール等を身に付けさせることなど、意識啓発を繰り返し行っていただくようお願いする。

 校長の皆さんには、自校職員への指導に当たり、会議等における形式的な注意喚起に留めることなく、職員一人ひとりと向き合い、悩みやストレス、普段から考えていることなどを十分に把握し、必要に応じ、個別に指導するなどして服務規律の確保に万全を期していただくようお願いする。

【北海道への誇りと愛着を持ち、未来を切り拓く人づくり~家庭・地域と連携した学校や多様な価値観を認め支え合う社会の実現】

▼地学協働活動の推進

 学校においては、地域の人と目標を共有しながら、社会全体で子どもたちの成長を支える地域と連携・協働した取組を進め、社会に開かれた教育課程の実現を図ることが必要である。

 3年5月1日現在の道内におけるコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の小学校・中学校・義務教育学校の導入率は80・2%であり、4年度には93・1%となる予定。全国平均を上回っており、取組の充実、活性化を図るフェーズに移っている。

 各学校においては、学校運営協議会について、各市町村教委と連携を図りながら導入を促進することはもとより、地域や学校の実態に応じた活発な議論を通し、地域と学校が協働した学習活動のさらなる充実に努めていただくようお願いする。

 取組の充実・拡充に当たり、何かあれば教育局の社会教育指導班、義務教育指導班に気軽に相談願う。

 また、コミュニティ・スクールなど地域と学校とが相互に連携・協働しながら一体となって進める取組について理解を深める地域と学校の連携推進協議会への教職員の積極的な参加奨励、学校運営協議会の委員や保護者、地域の方々への周知等、幅広く参加できるよう働きかけをお願いする。

▼青少年フロンティアリーダー養成事業

 本事業は、将来の地域リーダーを育成するため、中高生を対象に、地域資源を活用した体験学習や地域課題研究を実施する事業である。

 事業内容としては、青少年体験活動支援施設ネイパルを活用した宿泊研修や、道総合政策部「ほっかいどう地域づくりチャレンジャーネットワーク事業」と連携した取組を予定。参加者については、各市町村教委から推薦していただくことから、学校に対して生徒の参加について依頼があった場合は働きかけをお願いする。

▼道立青少年体験活動支援施設ネイパル

 このたびの道教委管理職員による指定管理者公募に係る不正行為に伴い、日ごろからネイパルを利用いただいている学校関係者の皆様や道民の皆さんの信用を損うこととなり、心からお詫び申し上げる。

 この4月から指定管理者による新たな運営が始まったところだが、引き続き皆さんに安心して利用いただけるよう信頼回復に努め、魅力ある施設づくりを目指して取り組んでいく。

 新型コロナウイルス感染症は未だ収束の兆しは見えていないが、各施設では感染対策を徹底し、これまで半数程度としていた宿泊利用定員を通常の200人としている。併せて利用料金や一部サービスの見直しなどを行っているので、御利用いただく際は各施設へ相談願う。

 ネイパルでは、本年度から防災教育の充実を図るための新たなプログラム「ネイパル防災A・P」を提供する。

 A・Pは「アクティブ・プログラム」の略で「アクティブに学び、アクティブに生かす」ことをポイントとしており、万一、災害が発生して通常の行動が困難な場合においても、子どもたちが自分の命を守るために行動できる力を育成したり、避難所となる学校や公民館などにおいて避難してきた人のたちの世話をするなど、積極的に貢献する態度を育成したりすることをねらいとしている。

 各ネイパルでは、地域の災害や防災対策を踏まえて、プログラムの立案をお手伝いするので活用願う。

▼世界遺産を活用した次世代育成事業

 本道初の世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」をはじめとした縄文文化について生徒の興味・関心を高めるため、本年度から新たに世界遺産を活用した次世代育成事業を実施する。

 この事業では、土器や石器など実際の出土品を見るような体験ができる3Dモデルと、それを活用した授業メニューを教員の皆さんから意見をいただきながら作成するとともに、各管内1~2校程度では、直接土器に触れることもできる出前事業を実施する予定である。

 北東北3県の小中学生と世界遺産子どもサミットをオンライン開催し、それぞれの地域での活動や学習の成果を発表し、互いの地域の縄文遺跡への理解と保護や活用の取組につなげていくので活用願う。

▼道立美術館オンラインアート教室事業

 本年度、道立美術館出張アート教室事業の一部をオンラインアート教室として試行実施する。

 道立美術館と学校をオンラインでつなぎ、美術作品に触れる機会の少ない地域における鑑賞機会の充実や、子どもたちの美術作品への理解促進を図るため、学芸員が生徒を対象に分かりやすく鑑賞の手ほどきや美術作品に関する講義を行う。

 詳細については決まり次第、担当課から別途連絡するので、生徒の芸術文化に接する機会の充実に向けて本事業を活用願う。

▼学校安全の充実

▽防災教育の充実

 防災教育の充実については、生徒一人ひとりに、災害時に自らの命を守る力を身に付けさせるため、地域コミュニティの核となる学校において、実践的な防災教育に取り組むことが重要である。

 各学校においては、道、市町村、防災関係機関等と連携し、体験活動と各教科の指導とも関連付けて行う1日防災学校の取組などを活用し、防災教育の充実に取り組んでいただくようお願いする(3月25日付通知)。

▽危機管理マニュアルの検証改善

 危機管理マニュアルについては、大規模災害の発生や、学校への犯罪予告などから、生徒の命を守る安全管理体制の整備に向け検証改善が求められている。

 各学校においては、学校の危機管理マニュアル等の評価・見直しガイドラインや東日本大震災による大川小津波訴訟判決を踏まえた学校安全指導資料を活用して、危機管理マニュアルを不断に検証・改善するようお願いする(3年6月21日付通知、2年11月5日付事務連絡)。

▽通学路の安全確保について

 通学路の安全確保については、学校や地域の実情、夏季・冬季の道路状況等に即した取組を進めることが重要である。各学校においては、関係機関と連携して安全対策の定期的な状況把握や必要な対応を確実に進めていただくようお願いする。

 また、登下校中の事故も含めて、自転車乗車中の事故が多数発生している。各学校においては、年度初めに自転車安全利用五則を踏まえた自転車の安全利用について指導を徹底していただくようお願いする。

▽教職員研修計画

 4年度の研修計画において、道教委研修の骨格となる基本方針と推進方策については道教育推進計画を踏まえて継続し、教員育成指標に基づいた人材育成を推進する。

 4年度研修計画については、3年度の検証を通じて明らかとなった本道の課題や国の動向への対応の必要性を踏まえ、ICTを活用した各教科等の学習指導力の育成や、児童生徒理解や生徒指導事案への組織的対応にかかる資質・能力の育成、教員一人ひとりのキャリアステージに応じたマネジメント能力の育成、学び続ける教員の育成に向けた自律的・主体的な研修への支援にかかる研修内容について見直しを図った。

 また、本年度の新たな取組として、本道の教員が自らキャリアデザインを描き、目指す将来像に向けて、自律的・主体的に教育実践やキャリアアップに取り組んでいくことができるよう、教員一人ひとりの研修計画立案を支援する研修ガイドの作成や、研修受講者のリフレクションを支援する自己診断シートの活用促進に取り組む。

 研修ガイドについてはできるだけ早い段階で学校や先生方に届けることができるよう、校長会の皆さんの意見を伺いながら作成を進めていくので協力願う。

 自己診断シートについては「校長と教員が自己診断結果を共有し、校長から教員への受講奨励を促進するための面談記録欄」「教員の自律的・主体的な研修選択を促進する研修履歴記録欄」を設定しており、4年度は初任段階研修や中堅教諭等資質向上研修を中心に、道教委研修の様々な機会を通じて活用する。

 教特法の一部改訂においても、今後、校長が教員の研修受講履歴を基にした研修の受講奨励が求められていることから、各学校における人材育成の取組に自己診断シートを活用願う。

▼読書活動の推進

 3年度学校図書館の現状に関する調査の結果から、本道の中学校においては、全校一斉の読書活動を実施している学校の割合が91・9%と読書習慣の定着に向け工夫していただいているところだが、各教科等の指導計画に学校図書館の活用を明記している学校の割合は30・6%にとどまっている。

 学校図書館には、読書活動の利活用に加え、様々な学習・指導場面での利活用を通じて子どもたちの言語能力、情報活用能力、問題解決能力、批判的吟味力等の育成を支え、主体的・対話的で深い学びを効果的に進める基盤としての役割が期待されている。

 先の調査では、学校図書館図書標準を達成した学校の割合は増加したものの、全ての学校で達成には至っておらず、古い図書が保有されている状況もある。

 さらに中学校においては、学校図書館に新聞を配備している学校の割合が54・3%となっており、学校で新聞を活用した学習を行うための環境が十分整備されているとは言えない。

 道教委では、平成30年3月に策定した道子どもの読書活動推進計画の第4次計画の最終年度となり、北海道の全ての子どもがあらゆる機会にあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にその環境整備を進めている。

 各学校においては、子どもの言語能力や情報活用能力など学習の基盤となる資質・能力の確実な育成が図られるよう、図書資料の適切な廃棄・更新を行い、授業をはじめとした様々な教育活動を通して学校図書館を計画的に活用していただくようお願いする。

▼女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画

 道教委では、女性の活躍推進を進めるため、平成28年3月に5年間(平成28年度から令和2年度)の特定事業主行動計画を、3年3月に新たな5年間(3~7年度)の特定事業主行動計画(第2期)を策定し、7年度までに管理職員に占める女性教職員の割合を引き続き15%にすることを目標としている。

 4月1日現在では10・1%となっており、目標数値を大きく下回っている状況である。

 公立学校の教職員のうち約4割を女性が占めており、男女平等参画の観点から現状を変えていく必要があるだけでなく、優秀な管理職を確保するために、女性教職員の計画的な育成や管理職等への積極的な登用が非常に重要であると考えている。

 目標の達成に向け、女性教職員にかかる人事上の配慮や女性ミドルリーダー層の拡大など、計画に基づく取組を引き続き積極的に進めていくこととしているので協力をお願いする。

 また、将来、管理職候補となる優秀な女性教職員の発掘・育成や力量のある女性教職員の登用に向け配意をお願いする。

▼広域人事の推進

 一般教員の広域人事については、年度当初の異動者が前年度の15人に対して本年度は17人と微増であるが、低調な状況である。

 各学校においては、他管内で経験を積みたいという教諭がいたら、積極的な働きかけをしていただくようお願いする。離島交流人事についても引き続き周知をお願いする。

▼定年引き上げ

 地方公務員法の改正によって5年度から定年年齢が段階的に65歳へ引き上げられたことに伴い、4年度に道職員等の定年等に関する条例などを改正する予定である。

 該当条例は、知事部局職員や道教委事務局職員、学校職員を含めた1本の条例であることから、条例を所管する知事部局と改正内容に関する協議を進めることとしており、具体的な内容をお示しできる状況になったら情報提供するので内容について確認願う。

▼ストレスチェック制度

 全道の教職員の精神疾患による病気休職者は依然として多く、メンタルヘルス対策の取組は喫緊の課題である。

 中学校においては、設置者である市町村が実施することとなるが、文部科学省からは全ての学校において実施するよう求められており、その旨を各市町村教委にも通知している。

 道教委としては、ストレスチェック制度にかかる取組については教職員のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、極めて重要であると考えており、本制度の実施にかかる取組を推進していただくようお願いする。

▼学校における敷地内全面禁煙の徹底

 学校敷地内禁煙については、元年7月1日に健康増進法の一部を改正する法律が施行され、道内全ての道立学校および市町村立学校において既に敷地内全面禁煙が講じられている。

 3年10月には道受動喫煙防止条例の基本計画として北海道受動喫煙防止対策推進プランが策定され、学校等における受動喫煙防止措置の促進など、受動喫煙防止対策の推進が図られている。

 受動喫煙の影響を受けやすい成長期にある子どもの健康への影響や喫煙防止教育を進める上でも、学校における敷地内全面禁煙の厳守についての取組を徹底していただくようお願いする。

▼公務・通勤災害の防止

 3年度の全体認定件数は公務災害・通勤災害を合わせて422件であり、2年度の410件と比べ12件増加している。

 また、中学校および義務教育学校後期課程の認定件数では、2年度77件、3年度94件と、17件増加している。

 公務災害が発生すると、その職員や家族の生活を脅かすばかりでなく職場にとっても大きな損失である。あらかじめ対策を講じることや少しの注意を払うことで、そこまで大きな事故にならずに済んだのではないかと考えられるケースも多く見受けられることから、校長の皆さんにおいては普段から職場環境を十分に把握し、災害のない環境づくりに努めるとともに、災害防止に関する工夫などもしていただき、教職員の安全に対する意識の啓発に努めていただくようお願いする。

(道・道教委 2022-05-10付)

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