道小総会・研修会 紺野会長あいさつ 地域格差ない教育条件を 働き方改革や人員確保へ取組
(道・道教委 2022-05-12付)

道小学校長会紺野会長
道小学校長会・紺野会長

 9日に開催された道小学校長会の第65回総会・研修会における紺野高裕会長のあいさつ概要はつぎのとおり(11日付1面一部既報)。

▼感染対策と学びの保障の両立

 現在もコロナウイルスは変異を重ね、子どもたちや若者を中心に感染状況が高止まり、終息が見えていない。私たちはウィズコロナの中で感染防止対策を十分に行いつつ、子どもたちの学びを止めることなく教育活動を推進するため、柔軟な教育課程を編成したり環境を整備したり、さらに学校行事の在り方を変更したりするなどの取組が学校経営上の第一の課題となっている。

 道小は、20地区の校長会と連携を密に状況を把握し、必要な措置や対応が取られるよう、地域格差のない教育条件の整備を目指して取り組みたいと思う。

▼授業改善を核とする教育の質の向上

 ここ2年、各学校では学習指導要領で求める社会に開かれた教育課程の実現、主体的・対話的で深い学びに向けた校内研修等に十分な時間と労力を割けない状況の中、工夫しながら実践を重ねてきた。学習指導要領で示す授業改善の定着に向けて一層力を入れていかねばならない。

 また、中央教育審議会答申「令和の日本型学校教育の構築」について理解の深化を図り、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実について趣旨を十分に理解し、その具現化が求められている。

 そのためには、教員の授業力や指導力を高めていく資質向上が不可欠であり、人材育成に向けた取組の充実が必要である。

 さらに、1人1台端末の導入は家庭と学校を結ぶオンライン授業や各教科等の授業改善に大きな可能性を秘めているが、参集しての授業参観や研修が難しい中、有効活用については道半ばである。

 端末の活用については研修やサポート体制を含め、自治体格差、学校間格差も指摘されており、それらの解消にも取り組んでいかなければならない。

▼学校における働き方改革の一層の推進

 各学校では教育課程全般を見直したり、事務作業の効率化のためのICT機器を活用したり、専科教員の導入や外部人材を活用したりなど創意工夫しながら取り組んでいる。北海道では学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」(第2期)によって3~5年までの目標が示されている。各学校において校長のリーダーシップのもと取組を進めており、在校時間の短縮など一定の成果も見られるが、まだ道半ばである。

 一方で、若手教員の増加、期限付き教諭や代替教員の不足など人材育成や人材確保が重くのしかかっている。

 また、教員採用試験の倍率低下や管理職のなり手不足などの状況を見ると、教職員の負担軽減や業務改善、待遇の見直しなど、教育政策への要請も含め、働き方改革に向けた一層の取組が必要である。

 校長会は、これらの課題にも正対して取り組み、負担軽減を進めることが急務である。各地区校長会と連携し、地域間格差や人的配置の問題が解消されるようにエビデンスに基づいた提案や要望を行っていく。

▼ウィズコロナにおける校長会の各研修会、研究大会の充実

 本年度も感染状況を見極め、オンラインを活用しながら活動を進めていく。会同の機会は貴重であり、多くの会員から会同を望む声がある。できる限りこれを目指しつつ、状況に応じてこれまで2年間の蓄積を生かしていく。

 9月9~10日に行われる第65回道小教育研究旭川大会についても、実行委員会と相談してできるだけ早く開催方法を決めていく。研究大会は道小の中核となる活動であり、校長会の目的である「校長の職能向上」「本道教育の質の向上」を目指して研鑚を積んでいく貴重な機会である。

 特に分科会は、以前から参画型の充実を目指して工夫を重ねてきたが、この2年は話し合いが持てていない。今回は何とかして分科会を実施したいと考えている。

 現在、旭川市小学校長会の皆さんは会同とハイブリッド、両にらみで準備を進めてもらっている。どのような開催方法となっても道小の総力を結集して実り多い大会になるように、支援していきたいと思う。協力をお願いする。

▼道小の組織・運営

 道小では、2年度の企画研修委員会の答申を受け、本年度から事務局幹事の札幌市選出者を1人減じ、地区選出者を1人増員している。また、本年度から歳出削減の取組として、理事研修会の2回と全道会長研修会はズームによるウェブ会議とすることになった。加えて、分科会運営者研修会についても、第1回の全体会はハイブリッド開催、今後の分科会ごとの会議は、ズームによるウェブ会議とすることにした。

 平成29年度からの会費値上げによって財政の立て直しが図られたが、今後も会員数の減少が見込まれ引き続き歳出削減に向けて取り組んでいく。会員の皆さんの理解と協力をお願いする。

(道・道教委 2022-05-12付)

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