札特協3年度 特別支援教育の現状 ⑥ リーダーシップ発揮が重要 保護者や関係機関と連携強化を
(札幌市 2022-05-25付)

▼今回の調査から

 前年度同様、例年とは異なる教育活動とならざるをえなかった1年である。今回の調査においても、その影響がさらに増していると思われる個所もあった。ただその中でも、対策を講じて工夫しながら新たに取り組んできた教育活動も増えている。

 4年度の状況は今のところ予想できる状態ではないが、コロナ感染症が終息に向かい、アフターコロナと言われる状況になることを願ってやまない。さらに4年度は「1人1台端末の活用」「小中一貫した教育の取組」「さっぽろっこ『学び』のススメの活用」などを通してさらなる学びの充実を図ることが必要となってくる。本調査を踏まえつつ、特別支援教育の本質となる部分を大切に、以下の点を今後も大切にしていくべきと考える。

▽特別支援学級および通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒の支援

 調査では小・中学校ともに、担任が中心となって指導していることが分かる。しかし、年々児童生徒数が増加している状況であること、担任の負担軽減という面からも、学びのサポーターの活用時間の増加や専門的知識のある人員配置等の取組に加え、校内での組織や体制づくり、取組や手立ての工夫改善など、さらに充実した体制の構築、学校外の機関との連携が望まれる。

▽保護者との連携

 保護者との連携に課題があると回答している学校、合理的配慮の内容における保護者との連携の難しさを感じている学校は増えている。校内で共有の場を設けたり、校内組織や学年体制で対応の工夫などを考えたりすることも必要である。

▽交流および共同学習の内容工夫

 この2年間はコロナ対策として難しい面もあり、内容や回数が減少していた面もあるが、4年度以降は一層の内容工夫、校内の共通理解を図っていかねばならない。

 例年、本会でも主張していることではあるが、ねらいを明確にし、児童の実態に即した効果的な交流や共同学習の在り方を探っていくことが必要である。

▽市の取組における学びの充実

 地域学習校の取組については、4年度以降はより効果的な取組となるよう工夫しながら運用していくようになると予想できる。成果につなげるため、児童生徒および保護者の意向を大切に、互いの学校が連携を密にして実践していくことが必要となってくる。

 校種間連携においては、年間計画に位置づけ、意図的・計画的に行っている学校がほとんどである。小中一貫した教育についても、パートナー校において協議や取組がさらに進み、より学びの充実につながっていくことであろう。

 1人1台端末を含めたICTを活用した教育の推進においても、特別支援教育の中でどう位置づけ、学びの成果につなげていくかの検証を、4年度は行っていく必要があると考える。

▽特別支援学級設置学校長としてのリーダーシップ

 校内の体制づくりと研修の場づくりが大切である。体制づくりについては、支援体制、相談体制などを再度見直すことが必要となってくる。研修の場づくりにおいては、特別支援教育の理解に関わる研修をはじめ、指導法だけではなく、多様な内容を学び合う場を導いていくのも校長の役割である。

 校長としてのリーダーシップを発揮していくことがますます重要になってくるといえる。

(連載終わり)

(札幌市 2022-05-25付)

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