運動部活動の地域移行検討会議 提言案 大筋で合意 予算確保も明記 近日提出へ(国 2022-06-02付)
スポーツ庁の運動部活動の地域移行に関する検討会議は5月31日の第8回会議で、提言とりまとめに向けた最後の審議を行った。5~7年度末を改革集中期間とし、休日の運動部活動を地域へと移行する内容を大筋で合意。受け皿となる組織・団体の支援に向けた予算確保の必要性を明記する方針について確認した。6日以降、室伏広治スポーツ庁長官に提言を手交する見通し。
提言案の副題は「少子化の中、将来にわたり子供たちがスポーツに継続して親しむことができる機会の確保に向けて」。
休日の運動部活動から段階的に地域移行することを基本とし、可能な場合は平日の地域移行も自発的に進めてもらうなど、地域の実情に応じた柔軟な体制づくりを進めるとした。改革の目標時期は5~7年度末に設定した。
対象は公立中学校等における運動部活動で希望する全生徒を想定。私立学校も実情に応じて積極的に取り組むよう求める方針。
スポーツ庁は本年度の早い段階で運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを改訂する予定で、全都道府県および市町村が休日の運動部活動の地域移行に向けた具体的な取組やスケジュールを定める推進計画を策定することが適当とした。
各市町村では地域スポーツの担当部署、教育委員会、地域スポーツ団体、学校等の関係者からなる協議会を設置し、活動の実施主体やスケジュールを検討する予定となっている。
また、地域移行に向けた具体的課題を①スポーツ団体等の整備充実②スポーツ指導者の質・量の確保方策③スポーツ施設の確保方策④大会⑤会費⑥保険⑦関連諸制度等―の観点で整理し、対応策を記載した。
前回会議で示した素案からの修正内容をみると、地域の受け皿となる組織・団体を整備するため必要な予算確保の必要性を明記したほか、都道府県単位での人材バンクの創設などを追記している。
受け皿となるスポーツ団体が確保できない場合、当面の間は拠点校方式による合同部活動を実施することを選択肢として記載。
会議では提言案の内容について概ね了承。公立・私立学校間で偏りが生じないための配慮を求める声が上がった。
人材バンクの創設に当たっては、生徒の移動距離や生活圏域など地域の実態を踏まえ市町村間の連携体制の必要性を指摘。各自治体の取組の支援では、学校、地域のノウハウを交流するフォーラムの充実など国の支援を求めた。
最後に室伏長官は、ガイドラインの改訂や各種通知の発出による関係団体への要請、概算要求や全国への普及啓発などを行う考えを示し「子どもたちがスポーツに親しむことのできる環境の確保にしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。
(国 2022-06-02付)
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