【解説】いじめ防止へ教員の時間確保を
(解説 2022-06-17付)

 文部科学省のいじめ防止対策協議会は15日に本年度の初会合を開き、今後の対応策を盛り込む論点整理について協議した。学校関係者からは、いじめの防止・早期発見のためには教員が生徒と向き合う時間確保の必要性を指摘。いじめ防止対策推進法等への理解促進に向けては、全国共通となる教材を文科省が作成するよう提案した。

 文科省が示した論点整理は、①学校・学校設置者のいじめ防止対策推進法等への理解促進②学校と地域、家庭が連携・協働する体制構築の充実③いじめの重大事態調査における関係者間の相互理解や方向性の一致に向けた取組の促進④関係機関と連携した人材の確保等のための体制整備⑤いじめの重大事態調査における首長部局の関与―を柱に今後の対応策を整理。いじめの重大事態調査のガイドラインの改定、調査委員を担う専門家の人材プールの整備、調査を担う人材の育成、首長部局との連携などを挙げている。

 ①では法等への理解を深めるために学校現場における研修の実施を示しており、委員からは多忙な学校現場の実態を踏まえた対応が必要と指摘。「いじめを未然に防止する視点を取り入れた授業づくりなど、共通で使える教材や資料があるとありがたい」との声もあった。

 全日本中学校長会の関係者からは「いじめは聞き取りや児童生徒とのやりとりでの気付きなど地道な作業で発覚するのが現状。時間が不足する中、生徒と向き合う時間が必要となっている」と述べ、学級担任が時間を持てる教育課程の必要性を示した。高校関係者は、いじめに対する教職員の意識が向上し、様々な研修に取り組んでいる学校の状況を説明し、学校単独による研修ではなく「学校設置者による研修」と文言を修正するよう意見した。

(解説 2022-06-17付)

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