【解説】進級で視力低下 顕著に
(解説 2022-06-27付)

 文部科学省は3年度児童生徒の近視実態調査結果報告書を公表した。裸眼視力1・0未満の割合は小学生が32・9%、中学生が54・7%で、学年が上がるにつれ視力が低下。パソコン等の使用時間が長くなり、目を休めるルールを決めていない割合も高くなることが分かった。

 調査は、小中学生を対象に測定装置を使った詳細な視力の実態把握を行い、近視の正確な実態や生活習慣との関係、近視の予防方法を明らかにするため初めて実施したもの。

 調査対象は小中学生8607人、調査期間は3年4~12月。

 裸眼視力1・0未満の割合は、小学1年生の男子が20・5%、女子が21・1%。中学3年生の男子が57・5%、女子が64・6%。裸眼視力0・3未満の割合は中学3年生の男子が25・5%、女子が35・6%と差がある。

 また、屋外に出にくいなどの環境要因が想定される地域や都市部では1・0未満の割合が高いと報告。原因は明らかでないが、冬の積雪などの環境要因のため屋外にあまり出られないことや、屋外活動時間が少ないことを可能性として指摘している。

 記述式アンケートの結果をみると、学校以外でパソコンやタブレットの平均使用時間が2時間以上の割合は、小学1年生の男子が3・7%、女子が1・6%。中学3年生の男子が14・8%、女子が8・8%だった。目を休めるルールを決めていない割合も小学1年生と中学3年生では30ポイント以上の差があった。

 文科省は、軽度の近視でも将来の緑内障や白内障などのリスクを上昇させることから、学校の1人1台端末を利用する際は「端末は目から30㌢㍍以上離して使用する」「30分に1回、20秒以上画面から目を離す」ことなどを児童生徒や保護者に呼びかけている。

(解説 2022-06-27付)

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