【解説】障がい者の生涯学習の実態(解説 2022-06-13付)
文部科学省は9日、重度重複障害児者等の生涯学習に関する3年度実態調査結果を公表した。生涯学習への意欲は20歳未満で約6割と高い一方、高齢になるほど低下。学校と卒業後にかかわる団体や機関の積極的な情報共有の重要性を示している。
重度重複障害児者、医療的ケア児者、重度肢体不自由児者等の生涯学習ニーズ、課題、取組事例などの実態の把握・整理が目的。ことし1~2月に紙・オンラインのアンケートで729件の回答を得た。
卒業後の状況を調査したところ、20歳未満で生涯学習に取り組んでいる割合は54・5%(全体平均44・8%)、生涯学習の機会や取組を増やしていきたい割合は72・7%(同34・3%)。
生涯学習の手段や場所は「障害福祉サービスの事業所、入所施設での日中活動」(84・9%)、「同好者が自主的に行う集まり、サークルへの参加」(19・4%)、「テレビやラジオ、インターネット、書籍による自主学習」(17・0%)の順に高い。「重度心身相当+医ケア」「重度心身相当」では障害福祉サービスでの活動の割合が高く、「重度肢体不自由相当」ではこれに加えて自主学習、サークル活動、図書館など多くの回答があった。
ヒアリング調査では、障害特性上移動が難しいケースも多いことから、訪問学習をはじめとした多様な活動の場やICT機器の使用方法の教授、地域との交流機会の設定などを求める声があった。事業所からは情報、予算、人材面の課題から連携可能な団体の紹介などの支援が必要としている。
生涯学習に関する情報収集を行った家庭のうち、卒業後の約2割が情報を入手できていない。このため地域での情報を集約化し、効率的に情報を得る環境整備が必要と指摘している。
(解説 2022-06-13付)
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