【解説】特別支援コアカリキュラム意見募集
(解説 2022-06-06付)

 文部科学省は、特別支援学校教諭免許状コアカリキュラムのパブリックコメントを実施している。全国全ての大学における特別支援学校教諭免許状の教職課程で共通的に履修すべき資質・能力を示すもので、自立活動や重複障がい児などに関する教育課程の取り扱いを明記する。意見の募集期間は7月1日まで。

 特別支援学校教諭免許状が取得可能な大学数は一定程度充実している一方、各領域に関連する授業科目の開設数の偏りや担当教員による内容の取り上げ方に差が生じており、専門性を有する大学教員の確保が困難であるなど教職課程の質の向上が課題として指摘されている。

 このため文科省は「特別支援教育を担う教師の養成の在り方に関する検討会議」や検討会議の下にワーキンググループを設置し、コアカリキュラムの具体について検討。教育職員免許法体系において特別支援学校学習指導要領等を根拠とした自立活動、知的障がいのある子どもに教育を行う特別支援学校の各教科等、重複障がい者等に関する教育課程の取り扱いや発達障がいを位置づけるとともに、教職課程の内容や水準を担保するために共通的に習得すべき資質・能力を示すとした。

 コアカリキュラム案では、共通的に習得すべき資質・能力として特別支援教育の基礎理論や各領域(知覚障がい、視覚障がい、知的障がい、肢体不自由者、病弱者)に関する科目を規定。大学はカリキュラムで示す「全体目標」「一般目標」「到達目標」の内容を修得する授業を設計・実施し、責任を持って単位を認定する。

 教育委員会においては、カリキュラムを踏まえた教員採用選考や免許法認定講習の実施、校長や教員の資質向上に関する指標の検討を行うとしている。

(解説 2022-06-06付)

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