女性管理職登用促進のヒント(解説 2022-05-31付)
国立女性教育会館がまとめた『学校における女性の管理職登用の促進に向けてⅡ』では、女性管理職の現状と課題、登用促進に向けた取組について、実践事例を交えて紹介している。
文部科学省の学校基本統計調査をもとに、初等中等教育における管理職に占める女性割合に関するデータを校種・地域・経年変化ごとに整理。校長に占める女性の割合をみると、小学校では平成2年ころから増加の幅が増し令和元年以降に2割以上を達成。一方、中学校は平成6年、高校は平成9年時点で1%に達し、令和3年はいずれも8%にとどまっている。
教員全体に占める女性の割合と比べ管理職に占める女性の割合が低い現状にも触れ、小学校と特別支援学校では女性教員約6割に対して女性校長は2割台、中学校・高校では女性教員3~4割に対して女性校長が1割以下だった。
都道府県別の公立小学校における女性校長の比率をみると、最も高い石川県は44・6%で、最も低い山梨県の7・8%とは36・8ポイントの差があった。
こうした現状の要因として、学校や教育委員会の仕組みや慣習、地域の環境、個人の意識や姿勢など複数の要因が関連していると指摘。学校・教育委員会・地域等の継続的・組織的な学びが重要としている。
その上で、女性の管理職登用の促進に向けたヒントとして①実態の的確な把握・分析②女性の積極的な登用・ミドルリーダーの育成③男女教員のワーク・ライフ・バランスの視点に立った働き方の見直し④異なる強みを持つ多様なリーダーが力を発揮できる学校づくり⑤性差と多様性に配慮した環境づくり⑥実効性ある連携で持続可能な地域づくり―を挙げ、各観点から実践事例を交えた取組のヒントや実践者のメッセージを紹介している。
(解説 2022-05-31付)
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