【解説】学校施設水害対策へ中間報告案
(解説 2022-06-01付)

 文部科学省が設置する学校施設等の防災・減災対策の推進に関する調査研究協力者会議は5月30日、水害対策の基本的な視点や検討の枠組みを示す「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進に向けて」中間報告案について審議した。

 基本視点として、流域治水等における学校施設の役割など4点を明記。緊急時の子どもたちの安全確保や地域の避難場所といった地域防災上の機能を示した。

 ソフト・ハード両面の対策を検討・実施するに当たり、想定最大規模(1000年に1度)のみならず、10年、50年、100年に一度といったより頻度の高い浸水を想定する方針を掲げ、多段階のハザード情報を把握した上で対策の方向性や優先度、個々の学校施設の対策内容を検討するとした。

 学校施設の脆弱性は「人的被害」「社会的損失」「経済的損失」の3観点で確認し、対象校が多数ある場合は「人的被害が想定される学校」を第1順位、「学校教育活動の長期中断や避難所機能の喪失などの社会的損失が想定される学校」を第2順位とするなど、優先順位を付けて検討を進める視点を盛り込んだ。

 個々の学校施設における対策では、上階待機や高層建物への避難など緊急時の児童生徒の安全確保、垂直避難のための避難路のバリアフリー化のほか、受変電設備設置や浸水防止対策など、学校教育活動の早期再開の取組を挙げている。

 会議では中間報告案についておおむね合意。一方、水害対策を推進するための財政的な支援の在り方や、学校における防災・減災の取組を明示する必要性などが指摘された。

 今後中間報告をもとに学校設置者の水害対策の具体的手順などを示す手引を策定する。最終報告は来年3月をめどに作成する予定。

(解説 2022-06-01付)

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