校長会長インタビュー第2回 石狩は一つ 子の将来に責任を 石狩管内小中学校長会会長 鹿野 秀一氏(関係団体 2022-06-29付)
鹿野秀一氏
―就任に当たっての抱負
前年度に引き続き、会長を務めることとなった。「ラスト1年無難に」ではなく、ことしが「勝負どころ」と捉えて、積極果敢に挑戦する姿勢を貫きたい。
これまで、コロナ禍であっても知恵を出し合い、子どもの学びを保障する教育活動の維持・発展に努めてきた。新たな視点で教育活動を見つめ直すことができたこの経験は、管内教育の強みとなった。
ピンチはチャンス。今後も、この成果を生かしながら「学びを止めない学校」「子ども一人ひとりの可能性を引き出す質の高い学び」の実現を目指していきたい。そのためにも校長会は常に先頭に立ち、教育の諸課題に真正面から立ち向かい、関係機関と連携しながら「石狩が一つ」になった取組を進めていく。
―管内教育の特色
石狩管内においては、関係機関がそれぞれの立場で物申し、子どもにとって最善の方策を模索しながら、諸課題の解決に当たってきた歴史がある。今後も、機関が相互に連携し、切磋琢磨する中で管内教育の発展に努めていくことが重要である。また、石狩管内教育研究会(石教研)が、自主性や実践を基盤とした協働研究に取り組んでいる。石狩の全教職員が学び合い、力量を高め合うことで、授業改善や今日的な課題への対応に大きく寄与する存在となっている。
―管内校長会の課題と対応
石狩管内校長会の本年度の重点課題は「人材育成」「働き方改革」「コロナ禍で生じた課題を解決する教育活動の工夫・改善」の3点である。
校長には人材育成という大きな使命がある。管理職、ミドルリーダー、教職員が育ち、組織として成熟することが子どもの成長には欠かせない。独自の人材育成シートに基づく「教頭を育てる」取組、検証改善サイクルを確立する組織的な取組等を通して人材育成を図り、検証していく。
また、道から示された教員育成指標自己診断シートの効果的な活用を検討していく。管理職として「自らが育ち」「後進を育てる」という意識をより高め、組織力の向上を目指したい。
働き方改革の推進については、市町村単位で重点的な目標を設定し、各校において具体の取組を前進させ、働き方改革が目指す目的に迫っていく。
また、実態調査や取組状況の交流によって業務の協働化・効率化等につながる効果的な実践を開発、推進する。さらに、部活動の地域移行についても注視していきたい。
教育活動の工夫改善については、これまで教育課程の再編成や行事の見直し、部活動等の大会実施に向けた調整など、学びを止めない工夫をしてきた。この財産をつぎの学校改善につながる機動力にしていく。特に、学びを「できない」で終わることなく「できるためにどうするか」と知恵を絞り、学びの場を確保していく。校長会がリーダーシップを発揮し、実践につながる協議・調整に尽力していきたい。
―アフターコロナに対応した校長会の取組
先行き不透明な中にあって、持続可能な社会に対応する教育について真剣に考える時が来ている。同時に、学校には子どもが様々な課題に対し主体的に考え、協働的に議論し、最適解を見いだすことができる資質・能力の育成が求められる。
そのためにも、これまで築き上げてきた協働的な学びと、1人1台端末を活用した個別最適な学びが融合する新たな学びの構築に力を尽くさなければならない。
校長会では、石教研、石狩教育研修センターなどの関係機関と連携し、端末の効果的な活用や授業改善の研修を充実させる。また、学校のマネジメント機能を強化し、教職員に求められる資質・能力を獲得するための研修や環境整備の充実を図るとともに、関係機関や地域と連携し、諸課題に対応する組織体制を確立させていく。
―教育信条
教師は、子どもたちを未来に届ける仕事をしている。私たちは「子どもが好きだから」「教育にやりがいを感じて」教師になった。その原点を忘れることなく「大好きな子ども一人ひとりの将来に責任」を持ち、子どもの可能性を引き出す教育をつくっていかなければならない。そして、関わる全ての人たちで「子どもの夢実現」を全力で応援していきたい。
昭和60年道教育大札幌分校卒。登別市立鷲別中を振り出しに、平成21年北広島市立西部中教頭、24年千歳市立千歳中教頭、26年北広島市立西部中校長、27年北広島市教委教育部次長、29年恵庭市立恵庭中校長、令和3年江別市立江別第一中校長。
昭和38年2月1日生まれ、59歳。室蘭市出身。
(関係団体 2022-06-29付)
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