札幌市教委　初のＩＣＴ活用推進会議　学校間の情報共有充実を　より良い指導目指し意見交換

（札幌市 2022-07-01付）

市教委の方針等を確認し、オンラインで協議

　札幌市教委は、１人１台端末の活用推進に向けた新たな取組として、ＩＣＴ活用推進連絡会議をオンライン開催した。市におけるＩＣＴの整備状況等に関する説明のほか、参加者が各グループに分かれて、端末を使用したより良い指導や授業実践等について意見交換。学校間での情報共有を充実させることや、児童生徒に意欲を持たせる授業の必要性を指摘する声が上がった。

　昨年までは、情報教育（ＩＣＴ活用）担当者等連絡会議を開催。各校の情報教育担当者を対象に、市教委の教育課程・教職員育成・教育政策の各課担当者が、１人１台端末活用や情報教育について説明する機会を設けていた。

　本年度は、市学校教育の重点において、包括的重点「ＩＣＴを活用した教育の推進（情報教育）」が示された。学びの質を高める取組を学校全体で推進していくために、全市的な共通の取組や自校の取組を振り返るとともに、各学校の状況や好事例等の情報共有を目的にＩＣＴ活用推進連絡会議を６月２２日と２３日に開催した。

　会議は同じ内容で実施。教育課程・教職員育成・教育政策の各課担当者による説明のほか、参加校によるグループ協議を行った。

　２２日の会議では冒頭、教育課程担当課の寺田晋哉義務教育担当係長がＩＣＴ活用に向けた方針や推進のポイントを説明。アンケート調査の結果を示した上で「端末を効果的に活用し学びの質を高めるための活用を目指していく」と述べた。その上で「ＩＣＴの効果的な活用学校間・学級間の差の解消、家庭との連携協働に重点を置いて推進していく」と呼びかけた。

　このほか、本年度の研修・研究の在り方や校務支援システムにおける調査票等の変更について、教職員育成と教育政策の担当者が説明した。

　このあと、参加校が２５グループに分かれて１人１台端末の活用等について協議。小・中学校は「パートナー校による９年間を見通した端末活用」、高校・特別支援学校は「BYODによる端末活用の状況について」をテーマとした。

　小・中学校のグループ協議終了後の振り返りでは、「学校間での情報共有を充実させ、９年間の見通しを立てていく必要があるが、計画を立てたあとも、その都度評価・改善していくことが重要」「児童生徒が持ち帰って学習を続けたいという意欲を持たせる授業をする必要がある。研究部と連携し、これからの授業づくりの方向性を検討していきたい」などの意見が挙がった。

(札幌市 2022-07-01付)