道教委 第1回学校保健審議会 マスク不要 周知徹底を 新型コロナ等について協議(道・道教委 2022-07-12付)
オンライン含め13人が参加した
道教委は8日、道庁別館で本年度第1回学校保健審議会を開き、健康教育の充実に向けた取組と新型コロナウイルス感染症対策について審議した。子どもの視力低下や虫歯、新型コロナへの対応などについて意見が寄せられ、視力低下については学校でのタブレット視聴時間は短く「スマホの影響が大きいのでは」との声が大勢を占めた。コロナ対策では、運動中でも教師がマスクを外させていないことに疑問の声が上がった。
同審議会は、学校保健・学校給食に関する施策の向上を図るため、専門家や学校関係者の意見の聴取等を行うもの。オンラインを含め13人の委員が参加した。
役員改選で会長・副会長を選任し、北海道医師会会長の松家治道氏が会長に、道教育大学札幌校教授の山田玲子氏が副会長に就いた。
続いて事務局が審議会所掌事項について説明。道内では裸眼視力1・0未満の児童生徒が年齢が高くなるにつれて増加する傾向にあり、高校では全学年が全国平均を上回っていることや、虫歯・ぜんそく・アトピー性皮膚炎の罹患率が、北海道は小中高校とも全学年で全国平均を上回っていることなどを述べた。
協議に入り、視力については「学校でタブレット、スマホを持つようになり半年でメガネが必要になった」「ことしの高校生は随分目が悪い子が多いという印象を持った」など視力低下を指摘する声がある一方、「学校の授業で長時間タブレットを見つめることはほとんどない」との声が多く「スマホの使用が影響しているのではないか」との声が大勢を占めた。
虫歯については、全国では以前からフッ化物洗口が進んでおり、道教委から「フッ化物洗口未実施の市町村は道内で17ほどある。効果があるのは明らかなのだが、精緻な分析データがないため、ことしからデータをまとめ効果を説明できるようにしていきたい」との考えを示した。
また、委員から「学校にも歯磨きができる環境があると良いのではないか」との声が上がった。
続いて、新型コロナウイルスについて事務局が説明。オミクロン株は若い世代の罹患率が高く、死亡率は低いこと、道内の公・私立学校の学級・学年・学校閉鎖の総数は最も多かったことし2月が967校で、全道の学校の半数以上に及んだことなどを説明した。
協議では、黙食について多くの声が上がり「給食の残量に変わりはなく、食べるのに集中している」「子どもは黙食をよく守っており、それが普通になっている」と子どもたちに浸透している実態がある一方、「特に小学校は食べながらのコミュニケーションが大切。今後どのような影響が出るか心配」「いきなりは無理だが、段階的にどうにかしていきたい」などの声が相次いだ。
また、マスクに関し「マスクの効果はすごく、学年集会の規模でも全く感染がない。逆に、マスクをしないと少人数でも感染している」など、マスクの効果の大きさが取り沙汰された。
一方、「部活動や大会でも生徒がマスクをしているが、先生からは〝リーフレットに書いてあるので外せとは言えない〟と言われた。先生は子どもの判断でと言うが、子どもは自分から外したいとは言えない。競技中のマスクは外すことが推奨されているのではないのか」との声が上がり、道教委は「呼気の激しくなる運動ではマスクは必要ないとしている。リーフレットでは、留意事項として体育や部活動では外すよう指導するよう書いている。ロッカー室での着替えなどは危険だが、運動中はマスクをしなくていいことをしっかり知らせていきたい」との考えを示した。
審議会ではこのほか、学校保健・学校給食の文部科学大臣表彰についての協議を行った。
(道・道教委 2022-07-12付)
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