網走白鳥台小　授業研究会　道徳的価値を可視化　国研調査官が模擬授業展開

（学校 2022-07-12付）

浅見調査官は５年生の授業を公開した

　【網走発】網走市立白鳥台小学校（河村一恵校長）は６月２４日、同校で授業研究会を開いた。文部科学省教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官の浅見哲也氏が模擬授業を展開。登場人物の言動や心情についててんびんを用いて視覚化し、多面的・多角的に考えられるようにする手立てなどを取り入れた授業を展開した。

　同校は、国研の教育課程実践検証協力校に指定されるなど、長年にわたって道徳の研究を推進。本年度は研究主題を「心を耕し、学びの種をまき、個の花を咲かせる～自らの学び方で、他者と協働し、学び続ける子供を育てる」と掲げている。

　浅見調査官の模擬授業では、教材「ブランコ乗りとピエロ」を取り扱った５年生の授業を公開した。

　内容項目は「相互理解、寛容」。サーカス団のリーダーであるピエロ、ブランコ乗りのサムの２人が考え方の違いから対立する中、サムの演技やその後の様子をきっかけに互いを認め合う姿が描かれている。

　浅見調査官は、相互理解、寛容の内容項目に示されている「自分の考えや意見を相手に伝える」「謙虚な心」「広い心」の３つの道徳的価値を視点に授業を展開した。

　演技時間が限られている中で自分だけ目立とうとするサムと、サムの行動を許せないピエロの気持ちを確認した上で、２人の言動や心情を比較したてんびんの図を板書。ねらいとする道徳的価値を可視化した。

　サムが「悪い」方に傾いている状態から「どうしたらピエロを下げられるだろう」と発問。サムの悪いところだけでなく良いところにも目を向けさせ「相手の気持ちを受け入れる」「自分の目立ちたい気持ちを抑える」など、謙虚さを持って相手を尊重する考えを引き出した。

　また、ピエロ役とサム役に分かれて役割演技を行う場面を設定。相手の考えを尊重しつつ自分の意見を伝える難しさを実感させた。

　授業後、授業交流会を行い、浅見調査官が授業内容について解説。道徳授業を構想する上で「内容項目、教材理解、児童の実態把握の３つを大切にしてほしい」と呼びかけた。

(学校 2022-07-12付)