札幌八軒西小　教育実践発表会　つながる授業を具現化　５年社会 米作りの課題迫る

（札幌市 2022-07-22付）

農業のスマート化の未来について考えた

　札幌市立八軒西小学校（白崎正校長）は１５日、同校で第１２回教育実践発表会を開いた。研究主題「自他とつながりしなやかに学ぶ子の育成」のもと、国語や社会など１６授業を公開。うち５年１組社会「米作りのさかんな地域」では、高田雄平教諭が農業のスマート化の研究の価値や米作りの今後の課題に迫る授業を展開した。

　同校は、研究主題に「自他とつながりしなやかに学ぶ子の育成」を掲げ、「子どもと共に、やりたい授業を思いっきりやりたい」との思いを持ちながら、これまで「自他とつながる授業の構築」を目指して研究を進めてきた。

　また、子どもが目の前の事象と自らの既習や経験を結び付けながら見方・考え方を働かせる過程「つながる授業」の具現化に向けた研究を推進。①学習の見通しから、意欲を継続し、加速させる子どもを育成する「やってみよう部会」②知りたいと感じ協働することで、考えを知り、比べ、深める子どもを育む「共に学ぶ部会」③自ら働きかけ、自他の考えを結び付けながら、追究し続ける子どもの育成を図る「なるほど納得部会」―の３つの部会に分かれ、つながる授業の具現化を目指して実践を重ねてきた。

　この日は、国語や社会、体育など１６授業を公開。うち５年１組社会「米作りのさかんな地域」では、高田教諭が農業のスマート化の研究について考える授業を展開した。

　前時までに児童たちは、農業人口の減少や高齢化など、米作りに携わる人たちが抱える問題について、資料をもとに調べ理解を深めてきた。

　８時間扱いの７時間目に当たる本時では、多額の費用がかかる農業のスマート化を進める北海道大学の野口伸教授の意図や思いに迫ることで北海道の米作りにおける課題を解決する具体的な考えを自分なりの言葉で表現することを目標に掲げた。

　高田教諭は、これまでの学習を振り返ったあと、無人トラクターの画像を示し、その特殊性を全体で共有。その上で、野口教授の３０年という農業のスマート化の研究期間やこれまでの無人トラクターの導入数を伝え、研究の意図を考えさせた。

　続いて、これまでの米作りの課題として「高齢化」「農業人口減」「収入減」の３つを挙げ、野口教授が３０年かけて研究している無人トラクターの価値について考える学習を展開。児童たちは「無人トラクターを導入することで作業が楽になる」「全自動だから誰でも気軽にできる」「米の質が良くなり、収穫も増える」などと自分なりの答えを出し合った。

　最後に高田教諭は「未来は当たり前のように各農家で無人トラクターが使われそうだ」とまとめた。

　公開授業後には、分科会を開き、「自他とつながりしなやかに学ぶ子の育成」を目指して研鑚を積んだ。

(札幌市 2022-07-22付)