【解説】記述問題 依然として課題
(解説 2022-07-29付)

 道内児童生徒の記述式問題の平均正答率が低い傾向が続いている。今回調査でも記述式問題の正答率は全教科で全国平均を下回り、小学校では国語が2・5ポイント、算数が3・2ポイント、理科が2・0ポイント、中学校では国語が1・7ポイント、数学が2・2ポイント、理科が0・9ポイントの差となった。短答式の問題は小学校の理科、中学校の国語で全国平均を上回っている。

 小学校理科の平均正答率については平成24年度調査の2・3ポイント差から上昇し、今回調査で0・4ポイント差まで縮まった。平均正答率が全国平均を上回った問題が比較的多い教科は、小学校の理科(17問中6問)と中学校の理科(21問中7問)だった。

 正答率が最も全国平均を上回った問題は小学校の理科「メスシリンダーの器具の理解」で、全国の67・8%に対して道内が74・3%。道教委は予想や仮説をもとに観察・実験の計画を立てて指導を行う道内の学校の割合が高いことから「実験の機会の多さが要因ではないか」と分析する。

 逆に正答率が全国平均を最も下回った問題は中学校数学の「42の素因数分解」で、全国52・2%に対し道内は35・8%だった。

 無回答率の問題数は小学校の国語と理科、中学校の理科で減少するなど改善傾向にあるが、小学校の算数では全ての問題の無回答率が全国平均より高い。授業でのICTの活用状況は全国平均を上回り、意見交換や発表など効果的な活用の推進に期待がかかる。

 自宅で計画を立てて勉強する児童生徒の割合は高いものの、1日当たりの勉強時間は短い傾向にある。ゲームやスマートフォン使用の長時間化があらためて浮き彫りとなり、学校・家庭・地域・行政が一体となった家庭学習の一層の充実が求められる。

(解説 2022-07-29付)

その他の記事( 解説)

【解説】総務省 中高生向け電波教室

 総務省は、オンラインで受講できる中高生向け電波教室の講座「eラーニングシステム」を開設した。  総務省では、地域社会に密着した立場を生かした電波利用に関する周知啓発活動および相談・助言業...

(2022-08-05)  全て読む

【解説】人文科学等キャリアパス拡大へ

 中央教育審議会大学院部会では、産業界と連携した教育研究体制の構築や教育課程・研究指導の質の保証など、人文科学・社会科学系の大学院教育改革に向けた検討を進めている。末松信介文部科学大臣は2日...

(2022-08-04)  全て読む

【解説】全連小 国に55事項を要望

 全国連合小学校長会(大字弘一郎会長)は7月上旬、文部科学省に小学校教育の充実に関する文教施策ならびに予算に関する要望書を提出した。  要望の内容は「義務教育の質を高めるための教育費の増額...

(2022-08-03)  全て読む

【解説】全国知事会 5年度予算要望

 全国知事会は、5年度国の施策・予算に関する提案・要望案をまとめた。  地域共生社会の実現に向けては、ヤングケアラーの社会的認知度の向上と支援を進めていくため、法令上にヤングケアラーが支援...

(2022-08-02)  全て読む

【解説】留学生をコロナ禍前の水準へ

 文部科学省はコロナ禍で大きく停滞した国際的な学生交流を立て直すため、「高等教育を軸としたグローバル政策の方向性」を公表した。5年後の9年をめどに外国人留学生と日本人学生の留学をコロナ禍前の...

(2022-08-01)  全て読む

【解説】部活動改革へ3団体に要請

 室伏広治スポーツ庁長官は26日、日本スポーツ協会、日本中学校体育連盟、スポーツ安全協会に対し、運動部活動の地域移行に関する検討会議提言を受けた要請文を手渡した。  要請文の内容は概ね検討...

(2022-07-28)  全て読む

【解説】文化部活動地域移行最終審議

 文化部活動の地域移行に関する検討会議は25日に第6回会議を開き、提言の取りまとめに向けた最終審議を行った。8月9日の会議冒頭で文化庁に提言を手渡す予定。  提言案は運動部活動に準じ、5~...

(2022-07-27)  全て読む

【解説】コロナ影響下の生活変化調査

 内閣府が6月1~9日に調査した「第5回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、全国でオンライン教育を受けている子どもの割合が前年度より増えている...

(2022-07-26)  全て読む

【解説】3年度文部科学白書を公表

 文部科学省は、3年度『文部科学白書』を公表した。東京オリパラの日本代表の活躍や大会レガシーの発展・継承について紹介。また、コロナ禍における文科省が実施した対応に加え、3年度に実施した支援や...

(2022-07-25)  全て読む

【解説】道教育大3年度卒業生の進路

 道教育大学を3年度に卒業した学生1176人のうち、43%に当たる506人が教員に就職した。教員養成課程のある札幌校、旭川校、釧路校をみると、卒業生722人のうち、439人が教職に就いた。卒...

(2022-07-22)  全て読む