【解説】人文科学等キャリアパス拡大へ
(解説 2022-08-04付)

 中央教育審議会大学院部会では、産業界と連携した教育研究体制の構築や教育課程・研究指導の質の保証など、人文科学・社会科学系の大学院教育改革に向けた検討を進めている。末松信介文部科学大臣は2日の記者会見で、今後作成する中間取りまとめに基づき、大学院修了者のキャリアパスの拡大を図っていく考えを示した。

 わが国における人口比や企業経営者に占める修士号・博士号取得者の割合は諸外国と比較して低く、特に人文科学・社会科学系で顕著となっている。大学院部会では新たな価値の発見や価値観を提供する人文科学や社会科学分野の重要性を踏まえ、現状と課題、改革の方向性を議論している。

 中間取りまとめ案の内容をみると、大学院修了者の能力や活用に関する社会的評価や認知が不足していることから、産業界や地域社会との相互理解・協働に向けた教育研究プログラムを推進する方針を明記。企業や公的機関と大学が連携して社会課題の解決を目指す教育プログラムや既存の技術や製品に意味的価値を付加するための共同研究などの具体例を示し、産官学連携を通じたネットワーク型の教育研究体制の構築を目指すとしている。

 また、幅広いキャリアパスを念頭に置いた大学院教育や組織的な就職支援の枠組みが十分整備されていないため、組織としての人材育成や教育方針の徹底、高度人材輩出の社会的ニーズを把握する方針を示した。

 このほか、学生の関心や研究テーマに適合した研究指導を受けることができる研究室異動の円滑化やネットワーク型の教育研究体制の構築などを盛り込んだ。 同部会は今後、学生を対象に大学院進学の意向調査を実施し、大学院進学を希望または希望しない理由、進学する際の検討条件などを把握する予定。

(解説 2022-08-04付)

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