北理研札幌支部 実験研修会 子が主体的に学ぶため プログラミング研修も実施(札幌市 2022-08-18付)
「明かりをつけよう」は小野教頭が担当した
道小学校理科研究会(北理研、紺野高裕会長)札幌支部は7月下旬、札幌市立白楊小学校で第12回「教師のための理科実験研修会」を実施した。会員、会員外の小学校教諭合わせて66人が参加。各単元における理科の実験を通して、子どもが主体的に学ぶ理科学習の具体と手立ての普及や、会員の資質・能力の向上を図った。
北理研札幌支部では、毎年この時期に一般教員に対して理科実験研修会を実施。2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止し、前年度は実施方法をオンラインに変更し、名称を「理科授業研修会〈理科のお教室〉」に変更して開催した。
研修会は、札幌市の一般の教員向けに理科の授業について楽しく学習が進められるように、観察・実験における準備や授業の進め方、ポイント等を学んでもらうことがねらい。普段理科の授業を行う上での困り感や悩みを解消し、子どもも教師も楽しく学習できるよう準備・計画し実施した。
実験研修会に先立ち、会員向け「プログラミング研修会」を実施。日本電機工業会の小倉英之氏が講師を務め、同会会員26人が参加した。
開会に当たり、紺野会長があいさつ。「研修開催に向けて打ち合わせを進める中で、今回の研修はとても価値あるものだと感じた。コンピューターを使わない“アンプラグド”の活動を通してプログラミング的思考力を育む方法をしっかり学びたい」と話した。
小倉氏は、6年の単元「電気の利用」を取り上げ、家電製品(炊飯器)の仕組みに関する授業を展開。電流で温度を制御している炊飯器の様子を乾電池3本を使って再現した。
参加者は、グループに分かれ、計時、温度の読み上げ、記録、配線の操作などの役割分担15秒ごとに温度を記録。それぞれ①室温+5℃を保つ②室温+30℃まで温度を上げる③室温+30℃を保つ―の3つの状態を実現できたか確かめ合った。
実験の中で小倉氏は「炊飯器にはタイマーも内蔵されている。様々な機能を持たせていることを子どもたちに教えてほしい」と呼びかけた。
◆8単元で理科実験
理科実験研修会には、会員26人のほか、会員外からも40人が参加した。
研修では、札幌小学校の小野純一教頭、共栄小学校の田代智昭教諭、幌東小学校の堀田淳教頭、宮の森小学校の清水雄太教諭、みどり小学校の新澤一修教頭、宮の森小学校の佐野哲史教諭、札苗北小学校の岩野晃教頭、北陽小学校の倉本匠教諭がそれぞれ各単元における実験を展開。うち小野教頭が行った3年「明かりをつけよう」の授業では、豆電球と乾電池をどのようにつなぐと明かりがつくか、どんなものが電気を通すのかを調べる実験を行った。
小野教頭の授業では、金属は電気を通し、紙やプラスチック、木は電気を通さないなど、材質による違いを表に整理。また、アルミ箔などを用いることで、線ではなく面でも電気を通すことを理解させた。
参加者からは「知識として知っていた実験も、実際にやってみることでポイントが分かり、今後の実験の参考になった。実験道具も使い方を工夫することで何通りもの実験に活用できることを学べた」「実際に実験器具を使用した内容となっており、パワーポイントのみでの説明と違い大変分かりやすかった。子どもは、こんなところに疑問を感じるのだろうなとイメージしながら学ぶことができた」などの感想が寄せられた。
(札幌市 2022-08-18付)
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