笑顔あふれる学校を　北特活創立５０周年式典　文科省・安部視学官が講話

（関係団体 2022-08-22付）

６０人が講話に耳を傾けた

　道特別活動研究会の創立５０周年記念式典が１０日、ホテルライフォート札幌を主会場にオンラインで開かれた。文部科学省初等中等教育局の安部恭子視学官が「共生社会で生きて働く力を育む特別活動～多様な人々と協働してよりよく生きる力を育む」と題して記念講話。働き方改革やコロナ禍への対応などが迫られる中、学校全体で特別活動に取り組む意義を強調し「今こそ、子どもと共に笑顔あふれる学級や学校をつくり上げてほしい」とエールを送った。

　北特活は、昭和４８年に活動を開始。同年の第１回研究大会札幌大会を皮切りに、１８次にわたる研究を推進。本年度、１０月２２日に第５０回研究大会を迎える。

　記念式典には、参集、オンライン合わせて６０人が出席。山下尊子会長は式辞で、会の５０年にわたる歩みを振り返り「コロナ禍を経験した今こそ、特活の役割に新しい視座を持ってつぎの世代に伝えていくことが私たちの使命」と述べた。

　安部視学官は講話で、新学習指導要領の前文に言及し「個別最適な学びは、気を付けないと“孤立した学び”になってしまう」と警鐘を鳴らした。特別活動は、児童生徒が関わり合う中で思考を深めたり、新たな価値を創造したりすることが求められる一方で「クラブ活動や異学年交流などは“何のために行うか”の視点が抜けていることがある」と指摘した。

　文科省が３月に作成した小学校特別活動映像資料を紹介しながら「校内研修において、何のために話し合うのかを明確にし、学校全体で同じ方向を向いて研究を進めることが重要」と説明。研究協議会における視点の明確化や、研究成果をつぎの授業に生かすための研究だよりの工夫などを呼びかけた。

　特別活動を要としたキャリア教育の充実にも言及。小学校における特別活動の実践が基礎的・汎用的能力の育成につながっていることを踏まえ、９年間を見通した指導の大切さを強調。「働き方改革やコロナ禍への対応などが迫られる今だからこそ、子どもと共に笑顔あふれる学級や学校をつくり上げてほしい」と激励した。

(関係団体 2022-08-22付)