新時代の社会教育へ提言
(解説 2022-09-01付)

 文部科学省は、第11期中教審生涯学習分科会における議論の整理「全ての人のウェルビーイングを実現する、共に学び支えあう生涯学習・社会教育に向けて」を公表した。新しい時代における生涯学習・社会教育の今後の役割や振興方策を示している。

 生涯学習・社会教育が果たし得る役割として、個人の幸福と周囲との良好な関係による「ウェルビーイング」や社会的包摂の実現、デジタル社会への対応、地域コミュニティーの基盤づくりなどを挙げている。

 振興方策は①公民館等の社会教育施設の機能強化②社会教育人材の養成、活躍機会の拡充③地域と学校の連携・協働④リカレント教育の推進⑤多様な障がいに対応した生涯学習の推進―の5点。

 内容をみると、公民館等の役割の明確化やデジタル基盤の強化、リアルとオンラインの双方で住民が相互に関係性を持つ共同学習・交流の促進を挙げた。

 人材育成に関しては、多様な分野の施策と連携して調整機能を果たす社会教育士の配置促進を掲げ、役割や称号付与要件の見直しといった制度の在り方を検討すべきとした。

 コミュニティ・スクールについては全国的に導入を加速。部活動の地域移行を推進するため、社会教育関係団体などの連携を積極的に行うよう提案。

 リカレント教育の推進に向けては、時間的・経済的な制約がある中で個人に応じた学びが必要とし「大学・専門学校におけるリカレント教育プログラムの充実」「社会人が受講しやすい時間帯・期間・授業形態等の工夫」「情報発信の充実」「学習履歴の可視化」の必要性を示した。

 このほか、障害者の生涯学習の施策としての明確化や、障害者の生涯学習を推進する人材の育成・確保などを挙げている。

(解説 2022-09-01付)

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