道議会質疑 文教委員会(5月10日)
(道議会 2022-09-02付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼大越農子委員(自民党・道民会議)

▼小泉真志委員(民主・道民連合)

▼清水拓也委員(自民党・道民会議)

【答弁者】

▼唐川智幸学校教育監

▼中澤美明学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長

▼伊藤伸一学校教育局生徒指導・学校安全担当局長

▼泉野将司生徒指導・学校安全課長

▼今村隆之健康・体育課長

◆いじめ問題

Q大越委員 旭川市の女子中学生が昨年3月、死亡して発見された事案については、いじめが疑われる重大事態として、昨年4月から市教委が設置した第三者委員会による調査が行われてきた。

 ことし3月末に第三者委員会が遺族に対して、亡くなられた女子中学生に7人から6項目のいじめがあったと事実認定したと報告した。

 4月15日の中間報告を受け、遺族側代理人からは、いじめが幅広く認められたと受け止めているとしながら、遺族への聞き取りが不十分であるとの指摘があったと伺っている。

 また、文部科学大臣は記者会見で、旭川市教委の対応について、いじめへの迅速な対処の前提となるいじめの認知が不十分だったことは大変遺憾とする旨を発言している。

 道教委としては、今回の第三者委員会によるいじめの判断をどのように受け止めているのか伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 いじめ重大事態に係る調査の中間報告について。旭川市教委は最終報告に先立ち、ことし4月に、元年4月から6月までの事実経過およびいじめとして取り上げる事実等について明らかにし、本事案はいじめであるとの判断を示したものと承知している。

 現在、市教委が設置した第三者調査委員会においては、本事案に関して、学校や市教委の当時の対応、再発防止策などについて調査しているところであり、道教委としては、市教委に対し、遺族の心情に寄り添った丁寧な対応に努めながら、最終報告に向けて調査の適正かつ迅速な実施について、より丁寧に指導助言していきたい。

P大越委員 このたびは大変重大な事態であり、文科大臣がいじめの認知が不十分だったことは大変遺憾と発言している中で、当の道教委がこの程度の受け止めというのは、非常に残念と言わざるを得ない。深刻に受け止めることを強く求める。

Q大越委員 第三者委員会の調査対象とされている4項目のうち、女子中学生が死亡に至った過程、学校と旭川市教委の対応、再発防止策については、いまだに報告が出されておらず、最終報告は8月ころになるとのことである。

 中間報告を受けて、道教委は旭川市教委に対して文書で指導したと聞いている。その具体的な内容について伺う。

 遺族の思いに応え、できるだけ早期に最終報告が行われるよう、今後とも旭川市教委への指導助言が必要と考えるが、どのように対応するのか伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 旭川市教委への指導について。道教委では、先般の中間報告を受け、市教委に対して最終報告書の作成および公表に当たり検討をお願いする事項として、第三者調査委員会は、調査の進捗を丁寧に遺族に説明すること、とりわけ、先般の遺族側の会見において、遺族への聞き取りに関する要望が示されていることについては十分な対応をすることや、被害生徒や遺族の心情への配慮について指導を行ったところ。

 道教委としては、市教委に対して、こうした取組が着実に行われ、調査の適正かつ迅速な実施に向けた指導助言をより丁寧に行っていく。

Q大越委員 今回の旭川市の事案に限ったことではないが、一般的に学校がいじめを認知した場合、被害児童生徒に十分寄り添った対応が行われるべきと考える。学校としては、被害児童生徒に対し、どのような対応を行うのか伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 いじめの被害者側児童生徒への対応について。各学校においては、いじめを認知した場合、家庭や関係機関と連携して、直ちにいじめを受けた児童生徒の安全を確保するとともに、学校のいじめ対策組織において情報共有を行い、事実関係を確認の上、組織的な対応方針のもと、被害児童生徒の心情にしっかりと寄り添いながら、徹底して守り通す対応を行うこととしている。

 また、いじめを受けた児童生徒が安心して教育を受けることができる環境を整備するため、被害児童生徒の状況についての継続的な観察や見守り、スクールカウンセラー等による教育相談の実施などの対応も行っている。

P大越委員 いじめを認知した場合、このようにするという答弁だが、この案件はいじめを認知できなかったわけであり、その反省のもと、これからどう対応するのかを答えていただきたかった。

 また、被害児童生徒の心情にしっかりと寄り添いながら行うこととしているとの答弁だが、言葉だけでは駄目である。寄り添う体制づくりをどのように進めていくのか、しっかりと考えなくてはならない。

 例えば、大阪府寝屋川市では、市役所の監察課がいじめ被害者の声をしっかりと受け止め、行政による介入ができるような仕組みをつくっている。こうした先進的な取組をしっかり倣って対応していただきたいと強く求める。

Q大越委員 学校がいじめを認知した場合、加害児童生徒への指導も重要と考える。学校としては、加害児童生徒に対し、どのように指導を行うのか。

A伊藤学校教育局生徒指導・学校安全担当局長 いじめの加害者側の児童生徒への指導について。各学校においては、いじめを認知した場合、学校のいじめ防止基本方針に基づいて、生徒指導担当や養護教諭、学級担任などの教員やスクールカウンセラーなどで構成される学校いじめ対策組織が中心となり、事実関係を確認しながら、加害児童生徒と保護者に対しては、加害児童生徒が抱えている問題等に応じて個別に指導し、いじめ行為の非に気付かせるとともに、いじめに至った背景をしっかりと認識させた上で真に反省を促し、被害児童生徒への謝罪の気持ちを醸成するよう、粘り強く指導に当たることとしている。

 また、こうした指導のあと、いじめが解消している状態に至った場合であっても、被害児童生徒と加害児童生徒の双方の様子を注意深く見守り、いじめが再発することがないよう指導している。

P大越委員 今回の事案は、あまりにも冷酷、残酷な事案にまで発展してしまい、本当に胸が痛くなる。

 このような事態に発展した場合、加害生徒の心情はどのようなものなのかしっかり分析することが必要と考える。いじめ行為の非に気付かせると答弁があったが、こうした重大事態に至った場合は、自然に気付かない状態であるとは考えにくい。気付いているけれども、かたくなに加害者であることを拒否している状態だと思う。

 このような状態に至れば、正当化するためにどんどんいじめがエスカレートし、ついには犯罪行為にまで及んでしまうという非常に複雑な心理状況であることが考えられる。

 こうした複雑な状況であれば、生半可な仕組みでは解決できないのではないか。寝屋川市では、行政的アプローチで解決できない場合、法的アプローチを準備しているとし、市が外部の弁護士を準備して被害者側が警察への告訴、民事での訴訟を行うルートを確保しているとのこと。

 重篤な事態に至った場合は、速やかに警察や弁護士など強い調査力、規制力を持つ組織としっかり連携した取組、その取組を全て用意するに至らないとしても、準備しておくこと、それだけでいじめの加害者が重篤化する前に気付きの機会を与える非常に重要なエッセンスだと考える。

Q大越委員 新年度を迎え、各学校では新たな体制で教育活動が始まっている。どの子にも、どこの学校においてもいじめが起こり得ることを再確認し、こうした事案が繰り返されることのないよう、市町村教委や学校に対して、早期発見、早期対応の再徹底が必要と考える。道教委としては、どのように取り組むのか伺う。

A唐川学校教育監 いじめの防止に向けた取組について。いじめは、子どもの命や心を深く傷付ける深刻な問題であり、道教委と市町村教委が連携を密にしていじめ問題への対応について考えを共有し、一体となって取り組むことが重要である。

 道教委としては、いじめの積極的な認知や早期の組織的対応等について、毎年度、各種会議や研修会を通じて、全ての市町村、学校と認識を共有することはもとより、市町村や学校のいじめ防止の取組や対応の状況をきめ細かく把握し、課題を抱えている場合は、課題解決の道筋が付くまで継続した指導助言と必要な支援を行うこととしてる。

 今後は、さらに、各学校で活用している1人1台端末から児童生徒が直接いじめ被害等をいつでも、どこからでも、気兼ねなく相談できるよう、相談窓口を早急に設置し、いじめの未然防止はもとより、早期対応、早期解決につながる相談体制を整備するなど、道教委として指導力を発揮し、いじめの早期発見、早期対応に向けた取組を徹底し、早期の解決が図られず、いじめの重大事態につながるようなことがないよう、いじめ防止に努めていく。

P大越委員 インターネットという透明性のある仕組みの中で相談窓口をつくることは、学校の隠蔽体質の打破が最重要課題の一つであった中、一石を投じるものであると期待している。相談窓口の詳しい仕組みづくりはこれからと考えるが、しっかりと被害児童生徒に寄り添い、いじめを早期に発見できる仕組みを全力でつくっていただくとともに、もっと重篤な段階に至った場合でも、きちんと対応できる仕組みを用意していくことを強く指摘する。

Q小泉委員 旭川市重大事態調査における中間報告について、新聞報道によると、道教委から、遺族にさらに聞き取りを行うよう指導を受けたとの報道があった。この事実関係について伺うとともに、第三者委員会に対して、もしそれが事実であれば、第三者委員会に対して指導できるとした根拠について伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 第三者調査委員会への対応について。道教委が第三者調査委員会に指導した旨の報道があったことは承知しているが、こうした事実はなく、道教委としては、市教委に対して、いじめ防止対策推進法に基づき、調査の適正かつ迅速な実施に関する指導助言を行ったもの。

 具体的には、先般の第三者調査委員会による中間報告を受け、市教委に対して、最終報告書の作成および公表に当たり、検討をお願いする事項として、第三者調査委員会は調査の進捗を丁寧に遺族に説明すること、とりわけ、先般の遺族側の会見において、遣族への聞き取りに関する要望が示されていることについては、十分な対応をすることをお願いした。

 市教委は、道教委の指導助言を踏まえて、第三者調査委員会に対し、最終報告書の作成および公表に当たり検討をお願いする事項について、市教委の考えを示したものと承知している。

Q小泉委員 当該学校が本案件を把握したのは、元年6月に当該生徒が川に入る事案が発生した際、当該学校は、警察や該当生徒の保護者への対応、当該生徒や関係児童生徒への聞き取りなどによって、当該生徒と他の生徒が関係する事案について把握したと承知している。

 学校現場で生徒の変化を把握するというのは、難しい一面も多々あると理解しているが、それを補うものとして、例えばいじめのアンケートなどが実施されているはずである。道内の学校でも年2回程度されていると承知しているが、1回目はだいたい5月から6月ぐらいと認識している。この時点で学校および旭川市教委は、いじめがあったかどうかについて把握していなかったのか伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 いじめの把握について。市教委は、道教委の通知に基づき、元年5月から6月上旬までの間に、当該学校を含め、市内全ての小・中学校でいじめアンケートを実施しているが、当該生徒のアンケートについては、現在、第三者調査委員会での調査の対象であるため、その内容については明らかにされていないものの、本事案に関するいじめの認知については、当時、学校および市教委は、いじめとの判断には至っていないとの見解であったと承知している。

Q小泉委員 道教委がこの事案を把握したのが、9月だったと聞いている。いじめか否かの前に、今回の事案、自殺未遂の事故報告が上がっていなかったことに対して、違和感と驚きを覚える。

 まず、この件に対する道教委の認識を伺うとともに、当然、こういう事案があれば、道教委としていじめの有無も含めて、学校や市教委に対して聞き取りや確認などをしているはず。いじめアンケートの結果をはじめ、旭川市教委に対して、どのような聞き取りや把握をしたのか。

A伊藤学校教育局生徒指導・学校安全担当局長 本事案の対応について。はじめに、本事案が元年6月に発生した事案であるにもかかわらず、旭川市教委から元年9月に報告されたことについては、旭川市教委は当時、当該の事案について、当該生徒、当該生徒の保護者およびその代理人と関係する学校の児童生徒とその保護者の間で話し合いが行われ、一定の区切りが付く見通しとなったことから、元年9月に口頭で道教委に報告を行うこととしたと伺っている。

 また、本事案に関わるいじめアンケートの件について。道教委では、元年9月に市教委から本事案の報告を受けたあと、当該学校が行ったいじめアンケートの結果について確認していたところであり、当時、市教委からは、いじめとの判断には至っていないとの報告を受けていた。

Q小泉委員 道教委として旭川市教委に確認して、当該生徒のいじめのアンケートとしては上がっていなかった、いじめを受けていたと上がっていなかったと確認させていただいてもよいか。

A伊藤学校教育局生徒指導・学校安全担当局長 いじめアンケートについて。道教委では、元年9月に市教委から本事案を受けたあと、当該生徒、学校が行ったいじめアンケートの結果について確認しており、当該のいじめの報告はなかったものと承知している。

Q小泉委員 道教委からは、本事案発生当時、旭川市教委は自殺未遂発生後、すぐに当該生徒および関係生徒等の聞き取りを行うとともに警察の対応状況も確認しており、事案発生の経緯や生徒同士の関係性に関する情報から、いじめと認知するまでには至らなかったという旨の報告を受けた。この事案の前に母親が学校にいじめの相談をしていること、そして、この事案を踏まえれば、学校はいじめとして認知し、方針を保護者と共有した対応が必要で、生徒がいじめではないと話をしていても、客観的に見ていじめが疑われる状況であるとした道教委の判断は大変納得できるものである。

 にもかかわらず、いじめの認知に至らなかった、もしくは、限界があるのであれば、何がそうさせているのか、また、今後の対応についての道教委の所見を伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 いじめの認知について。本事案において、当時、学校および市教委がいじめの認知や初動対応を適切に行うことができなかった要因については、今後、第三者調査委員会での調査によって明らかになるが、道教委では、法令に基づいたいじめの定義や学校および市教委の果たすべき役割について理解が十分ではなかったものと考えている。

 道教委としては、いじめ問題への対処に当たっては、いじめの定義を限定的に解釈することがないよう、いじめの認知についての考えやいじめの疑いを持って対応する初動対応が重要と考えており、引き続き、生徒指導に関する協議会等を通じて、市町村教委に、こうした対応の徹底について指導助言するとともに、義務教育指導監や指導主事による学校訪問を通じて、学校の実情に応じてきめ細かな指導助言を行っていく。

Q小泉委員 現状の条例や基本方針では、やはり限界があるのだと思う。今回、これだけの重大事案が発生したことを踏まえて、二度と同様の事案を発生させないためにも、5年に予定されているいじめ防止基本方針の改定を前倒しすべきと考える。道教委の所見を伺う。

A伊藤学校教育局生徒指導・学校安全担当局長 基本方針の見直しについて。道いじめ防止基本方針は、児童生徒を取り巻く社会情勢の変化や道内外のいじめの防止等に関する先進的な取組、いじめ防止対策の効果に関する評価を踏まえ、定期的に見直しを行うこととされている。

 道教委としては、今後、道教委の付属機関である北海道いじめ問題審議会や道関係部局、道警、道PTA連合会、社会教育団体等の関係機関による道いじめ問題対策連絡協議会において、基本方針の見直しに関する意見等をいただきながら、必要な取組を進めていく。

Q小泉委員 現状の道いじめ防止等に関する条例および道いじめ防止基本方針では、やはり限界がある。再度、道教委の認識を伺う。

A伊藤学校教育局生徒指導・学校安全担当局長 基本方針等の見直しについて。道教委としては、このたびの旭川市の事案等を踏まえ、学校、教育委員会の対応や関係機関との連携の在り方について、道いじめ問題審議会や道いじめ問題対策連絡協議会において意見をいただくなど、いじめ防止基本方針をはじめ、条例に基づく取組の見直しについて検討するなど、関係者が一体となっていじめ根絶に向け、力を尽くしていく。

D小泉委員 まずは条例を含めて基本方針の改定を前倒しする。少なくとも私は前倒しをすべきだということを期待する、そういうことを発言させていただきたいと思っている。

Q小泉委員 学校の責務について。道いじめ防止基本方針では、学校の責務として7つの項目が掲げられている。その最初の項目として、学校は、日ごろから教育活動全体を通じ、いじめをしない、いじめをさせない、いじめを許さない集団づくりに努め、児童生徒が自他の意見に相違があっても、互いに認め合いながら粘り強く課題を克服していく力や相手等への影響を考えながら円滑にコミュニケーションを図っていこうとする力を育てるとある。

 このことについては、十分理解し大切だが、一方で、お互いの同意を大切にする人間関係を育てていける力を育むということが必要だ。同意という部分が、必要ではないかと思っている。今回の旭川市の事案も、お互いの同意という観点を重視していれば、いじめの認知どうこうという話にはならなかったと思う。この部分について、道教委の所見を伺う。

A唐川学校教育監 学校の責務について。いじめは全ての児童生徒に関係する問題であり、いじめの芽はどの児童生徒にも生じ得ることから、学校全体でいじめの未然防止のため、いじめが起きにくい、いじめを許さない環境をつくることが重要である。

 このため、道教委では、これまでも、いじめ防止対策推進事業を通して、子どもたちが自らいじめ問題について考え行動することを目指し、子ども同士が心の結び付きを深め、お互いの良さを認め合う大切さを実感できる道徳科の授業や体験活動、児童生徒会活動を全ての学校で展開できるよう、市町村教委と連携して取り組んでいる。

 今後とも、各学校において、子どもたちに、いじめは絶対に許されないという人権感覚とお互いの良さを認め、意思を尊重し合い、いじめや人権侵害のない社会を形成しようとする資質、態度を育成する指導が一層推進されるよう取り組んでいく。

P小泉委員 そもそも、いじめに認定されたらどういう措置がされるのか。この辺りが実は何も決まっていない現状があると私は思っている。認定しようがしまいが、被害を受けている、人権侵害を被っていることが大きなポイントで、それに対して厳正な対応が必要ではないか。そこで、いじめという言葉を使い続ける限り、このような案件は繰り返されるのではないか。

 人権侵害は許されない、この行為は許されない、相手の同意がない行為は許されない、このことが学校現場や地域社会で徹底されていかなければならない。

 今後、道いじめ問題審議会の中で、道いじめ防止基本方針が前倒して改定されることを期待して、その中で、ぜひ、同意や人権侵害ということを中核に据えて論議していただくことを期待する。

◆児童生徒の健康

Q清水委員 2年度の公立学校児童等の健康状態に関する調査結果から、道教委は、本道の児童生徒の健康状態をどのように考えているのか、全般的な認識を伺う。

A中澤学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長 児童生徒の健康状態について。2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、例年4月から6月に行う健康診断を全国的に当該年度末までに行うこととしたため、直接比較はできないが、裸眼視力1・0未満の者の割合については、多くの学年で前回調査より増加し、全国平均を上回っていること、虫歯の者の割合等については、多くの学年で前回調査より減少しているが、全ての学年で依然として全国平均を上回っていることなどが明らかになった。

 道教委としては、各学校が、本調査結果や子どもたち一人ひとりの健康状況等に関する様々な情報を把握、分析して、健康課題を明確にし、その解決に向けた効果的な指導の充実を図っていく必要があると認識している。

Q清水委員 裸眼視力1・0未満の者の割合が前回調査より増加している。特に北海道の特性として、中学校3年生から高校1年生にかけて増加している。インターネットやスマートフォン、ゲームなどをやっている。ぜひピンポイントで対策に力を尽くしてみるのも一つではないか。今後の取組について、こうした状況を踏まえて、道教委では、この目の健康についてどのように取り組む考えなのか伺う。

A今村健康・体育課長 今後の取組について。道教委では現在、タブレット使用時の正しい姿勢や一定の時間使用したあとに休息を入れることなど、利用時の健康への配慮事項を記載した啓発リーフレットを各学校に配布し、目の健康に関する保健指導や家庭と連携を図った生活習慣の改善に関する取組に活用するよう働きかけている。

 道教委としては、引き続き、各学校において家庭と連携を図り、端末利用時の配慮事項を児童生徒に指導するとともに、今後、小児科医や眼科医等の専門家の助言をいただきながら、目を大切にする指導の実践研究に取り組み、その成果を広く周知するなど、児童生徒の目の健康の保持増進に努めていく。

Q清水委員 虫歯について前回調査と比較すると、幼稚園を除く全ての段階において減少しているが、全国と比較して虫歯が多い要因は何だと捉えているのか。

A今村健康・体育課長 虫歯が多い要因について。一般的に虫歯は、糖分の摂取回数や量、歯磨きの実施状況など、食習慣や生活習慣が要因となって発生すると言われている。本道はこれまで、様々な調査において、小学校および中学校の男女いずれも肥満傾向児の割合が全国平均よりも高いことや、朝食を毎日食べずに登校する児童生徒の割合が全国平均よりも高いことなど、食や生活に関する望ましい習慣が確立していないことも要因の一つと考えられるところ。

Q清水委員 全国と比較して虫歯が多いことを踏まえて、道教委として、これまでどのように取り組み、今後どのように取り組む考えか伺う。

A中澤学校教育局指導担当局長兼学校教育局新型コロナウイルス感染症対策担当局長 道教委の取組について。道教委では現在、北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例に基づき、各学校におけるフッ化物洗口や歯磨きの実施を普及するとともに、教員研修において歯、口の健康に関する講義を行うなどの取組を進めている。

 今後は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まることを懸念して、フッ化物洗口を一時的に中断している市町村に対して、安全に配慮した実施を指導するとともに、未実施の市町村に実施を引き続き働きかけるほか、学校歯科医などの専門家との連携を図ったブラッシングの指導等の取組を促進させ、各学校における歯、口の健康づくりに関する教育活動の充実を図っていく。

P清水委員 全国の傾向をみると、フッ化物洗口をしている県は非常に虫歯の本数が少ない。未実施の市町村に対し実施を引き続き働きかけるとの答弁だが、ぜひ興味の高いと思われるPTA役員に実態を知っていただくとともに、市町村の教育委員会におけるテーマとして扱っていただくなど、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。

Q清水委員 今後に向けての決意の一端などを伺いたい。

A唐川学校教育監 道教委の取組について。本道の子どもたちが自ら可能性を発揮し、未来社会を切り開いていく力を身に付けていくためには、各学校において児童生徒が自ら健康の保持増進に取り組み、明るく豊かで活力ある生活を営む態度を養うことが重要である。

 そのため、道教委としては、広域分散型である本道の特性を踏まえて、各地域の中核となる養護教諭を健康教育推進リーダーとして育成するとともに、小児科医等の専門家の助言をいただきながら、目や歯、口の健康を含めた望ましい生活習慣の確立に向けた実践研究を行い、その成果を全道に広く普及し、各学校が設置している学校保健委員会の機能の向上を図ることなどによって、本道の子どもたちが自分自身の健康に関心を持って主体的に健康課題の解決に取り組み、生涯を通じて健康な生活を送ることができる健康教育を一層充実させるよう、鋭意取り組んでいく。

D清水委員 新しい取組として、養護教諭、保健室の先生を健康教育推進リーダーとして育成するということで、大いに期待したい。

(道議会 2022-09-02付)

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