石狩局 女性ミドルリーダー養成研 正しい保護者対応理解 学校の要へ資質・能力向上
(道・道教委 2022-09-05付)

石狩局女性ミドルリーダー研
グループで活発に話し合い石垣氏が助言した

 石狩教育局は8月24日、札幌市内の道第2水産ビルで管内女性教員を対象としたミドルリーダー養成研修を実施した。北海道文教大学人間科学部健康栄養学科の石垣則昭教授による講義・演習「保護者と信頼関係を高める関わり」で正しい保護者対応を学ぶなど、学校の要としての資質・能力の向上に励んだ。

 研修には管内の女性教員19人が参加。はじめに田中賢一局長があいさつに立ち「女性管理職へのアンケートでは、自らの仕事に満足している、どちらかというと満足しているとの回答が64・5%であるのに対し、一般教職員に管理職になりたいかを尋ねると3・8%しかない」などの状勢を説明した上で「本研修は、女性管理職になってほしいというだけではなく、皆さんのように経験を重ねキャリアを持つ方々が教育の流れを俯瞰し、全ての子に必要な資質・能力を身に付けてけてもらうため、そのキャリアを生かしてほしいと願ってのもの」「教員になりたてのころは授業や生徒指導で精いっぱいだったと思うが、キャリアを積んだ今、組織的な学校の要としての役割を認識し、ぜひ学校経営に参画する力を身に付けてほしい」と求めた。

 続いて、石垣教授が「保護者と信頼関係を高める関わり」と題し講義・演習を行った。

 石垣教授は「親を怒らせてしまうのは、ほとんどが学校の初期対応の問題。本来の問題より、学校の対応の悪さが問題になってしまう」と指摘。重要なポイントとして「事実関係をつかまないまま対応するからこじれてしまう。必ず事実関係を確認すること」と述べた。

 続いて、実際の相談事例をもとに危険予知トレーニング。学校の対応が保護者に不信感を持たせてしまった事例について、グループに分かれ、どこがいけなかった、どうすべきだったのかを話し合った。

 石垣氏は、親を怒らせてしまうポイントとして「事実を確認もしていないのに勝手な予想で話す」「親や子どもを責めるような発言」「保護者の不安を和らげようともせずぶっきらぼうな対応」などを具体的に挙げ注意を求めた。

 また、みんなの前で見せしめとして人格を否定するような言葉を吐く教師や、強引な生徒指導で君臨し、周囲の教師も同調させようとする教師、叱っている自分に酔ってしまいどんどんエスカレートしていく教師などの弊害を強調。生徒理解や、なぜ教師になったか初心を問い直すなどの対応を求めた。

 さらに、心に闇を抱えている保護者について「子どもの相談をしているようだが、実は自分が満たされたいだけなので一向に問題が進まない」「個人的にSNSでつながろうとし、一旦つながると時間に関係なく連絡してくる」などの特徴を説明し「個人的につながるのは絶対駄目」「親の感情に押し流されず、もう一人の自分をつくり、何を求めているのか判断すること」などと話し、具体的な対応法も説明した。

 参加者たちは、実際に自分の学校で起こったトラブルを想定し、問題点や解決法を熱心に話し合った。

 このあと、江別市立対雁小学校の竹島美智代校長が講師となり「女性教職員の活躍の意義」をテーマにグループワーク・意見交換。

 日本の女性管理職の少なさや無意識の性別役割分担意識について説明した上で、ミドルリーダーのやりがいや、課題に感じている職員のやる気をアップさせる方法などについてグループで意見を交わした。

(道・道教委 2022-09-05付)

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