経団連　次期基本計画へ提言

（関係団体 2022-10-11付）

　経団連は来年度から始まる第４期教育振興基本計画策定に向けた提言「主体的な学びを通じ、未来を切り拓くことができる多様な人材の育成に向けて」をまとめた。文理分断からの脱却やデジタル人材の育成など、経済界として優先的に盛り込むべき施策を示した。

　国の教育行政の根幹的計画である教育振興基本計画は平成２０年に策定し、５年ごとに改定。中教審では５～９年度を期間とする次期計画策定を審議している。

　提言では、経済界が特に重要と考える指標として学習者用デジタル教科書の整備率を９０％、遠隔・対面によるハイブリッド型授業を実施できる学校の割合を１００％、数理・データサイエンス・ＡＩ教育プログラムの履修者を１００％とするよう提案した。

　近年企業では「主体性・積極性に富んだ人材」「課題設定力を有し想像力・発想力が豊かな人材」「高度な専門性や特定分野で強みをもった人材」が求められているとし、多様性を尊重して主体性・好奇心・創造性を育む教育を推進する必要性を示している。

　優先的に取り組むべき教育施策は９点。うち文理分断からの脱却では、経済界・大学・自治体等と連携したＳＴＥＡＭ教育の推進、高校段階からのコース分けの是正、大学における文理融合やリベラルアーツ教育の推進を提案している。

　デジタル人材の育成を喫緊の課題とし、小学校からの情報リテラシー教育の実施や全国の大学・高専でリテラシーレベルの教育プログラムを必須科目化するなど、数理・データサイエンス・ＡＩ教育の充実を求めた。また、高校の教科「情報」を指導できる教員を確保するため、７年度から出題教科に加わる大学入学共通テストのみならず、全ての大学入試で「情報Ｉ」を課すべきとした。

(関係団体 2022-10-11付)