道中GIGAスクール構想調査 ソフトや人的配置課題 情報モラル教育97%実施
(関係団体 2022-10-14付)

GIGAスクール表
GIGAスクール構想実現に向けた学校の課題(クリックすると拡大表示されます)

 道中学校長会(野﨑均会長)は学びの保障およびGIGAスクール構想の取組と現状等に関する調査報告書をまとめた。GIGAスクール構想の実現に向けた課題は教育支援や教材等のソフトウエア整備が54%、ICT支援員の配置が47%と高い割合を示している。学校のICT化には7割の学校が「情報化推進リーダーの配置」を挙げ、人的配置を重視していることが分かった。情報モラル教育の充実には97%の学校が取り組み、端末利用のルール作りも9割以上と高い水準にある。

 調査は全道の中学校におけるコロナ禍の対応策、GIGAスクール構想の現状や成果、課題を明らかにし、今後の学校経営に生かすことが目的。全日本中学校長会の2年度調査を参考に、3年度の道内の状況を調べた。

 調査対象は道内の中学校565校、回答率は98・9%。

【臨時休業等の学びの保障】

 臨時休業など非常時の対応策を組織的に検討した学校の割合は98・9%。学習方法としてオンライン授業(学校から家庭)を挙げた割合は68・5%で、2年度全国調査の2・1%と比べ大きく上昇している。

 学習指導の課題は「特別な支援が必要な生徒への指導」が68・2%と最も多く、「家庭学習が定着していない生徒への指導」「学習のつまずき等への指導」と続く。このほかICT環境未整備の家庭への対応、教師用端末の性能、オンライン授業の指導力などが上がった。

【GIGAスクール構想の実現に向けた取組】

 生徒の1人1台端末は98・6%で整備済み。一方、校長を含む教職員への整備は54・4%となっている。普通教室における大型提示装置の整備率は89・1%。

 生徒用端末のソフトはワープロソフトやプレゼンテーションソフトが9割以上で、デジタル教科書が70・7%、プログラミング教材が24・3%だった。

 ICT支援員の配置校における業務は「生徒や教職員への機器操作支援」が最も高く、機器メンテナンス、トラブル対応、研修の講師など様々だった。未配置校の割合は61・5%。

 オンライン学習は「授業などの動画配信」「同時双方向の授業(学習)」「課題提出」が8割以上だった一方、通信環境の問題からオンライン学習が実施できない報告もあった。

【1人1台端末の利活用】

 生徒が端末を大切に使うルール作りを行っている学校は93・2%。セキュリティー問題やトラブル発生に備えた相談先を明示している学校は61・2%。

 情報モラルなどの指導は97・7%の学校で実施。フィルタリングの設定率は68・9%となっている。

 非常時を除く端末の持ち帰りは62・5%の学校で日常的に実施しているが、家庭学習で多くの生徒がほぼ毎日使用している割合は15・4%にとどまった。

 端末等の運用に関する研修を計画的に行っている学校は65・3%。道中は学習指導場面における効果的な活用方法に関する研修を行う必要性を指摘している。

【学校におけるICT化等の推進状況】

 学校のICT化を進める上で重要なもの(複数回答)は「情報化推進リーダーの配置」が70・3%と最も多く、「校内研修の推進やマネジメント」「情報化の重要性や必要性への理解」と続く。端末を活用した授業では「学び合う活動の充実」が69・1%、「魅力的な課題・教材の提示」「説明・発表の機会の充実」が5割以上と多い。

 授業におけるICT活用指導力を身に付けている職員の割合は「ほぼ全員」が23・3%、「4分の3程度」が67・8%。

 ICT活用能力を身に付けている生徒は基本操作に関して「ほぼ全員」が7割を超えた一方、健康面での配慮、情報モラル、情報セキュリティの能力は2割程度だった。

(関係団体 2022-10-14付)

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