重要感味わえる承認を 道特別支援学校副校長・教頭会夏季研 特セン今井章文所長が講話
(関係団体 2022-10-17付)

特セン所長講話
今井所長が組織活性化への具体的な方策を示した

 道立特別支援教育センターの今井章文所長は、このほどニューオータニイン札幌で開かれた道特別支援学校副校長・教頭会夏季研究協議会で「学校経営ビジョンの実現に向けた活力ある組織づくり・組織を活性化させるための具体的方策」と題し講話した。今井所長は「組織を動かすためには職員のモチベーションコントロールが重要」と指摘し「仕事に対する達成感や充実感、自己重要感を感じられるよう、承認していくことが大切」などと述べた。

 概要はつぎのとおり。

 活力ある組織づくりについて。活力とは気力やパワー。疲れるのは仕方のないことだが、活力はまた違う。

 副校長・教頭先生の仕事は、先生方に意欲を持って働き続けるための活力を与えることである。活力は元気に働き続けるためのエネルギー。その原動力は何か。

 まずは給与や福利・労働条件などの衛生要因。これがないと元気は出せないし不満がたまる。つぎに動機付け要因。達成感や充実感、自己成長感が満たされること。これらは承認欲求と結び付いており副校長・教頭が承認していくことが大切。

 つぎに学校経営ビジョンの実現について。校長になると、学校の中のことが分からなくなる。教頭・副校長が一番学校のことを知っており、校長と共有することが大切。それが経営ビジョンの実現につながっていく。学校の事情を知っていても共有しなければビジョンの実現にはつながらない。

 校長の示したグランドデザインやビジョンを学校全体で共有するにはどうするか。私は事あるごとに校長室に入り話をした。何か問題が起きたり案件があったりしたときだけではなく、話題をつくって話しをした。校長と自分の意見の擦り合わせをしておかなければいけないからである。

 校長は「教頭先生は忙しいから、あんまり話したら悪いか」と思っている。なので、教頭から話してくれるととても助かるのである。そのようにしていると、校長は教頭先生方を信頼し信用する。校長の信用・信頼をもらうことで、学校運営はスムーズに進む。

 つぎに、組織づくりに係るリーダーシップについて。管理職は、学校の課題や問題に対し働きかけを行う仕事である。それに当たりどう組織を編成するか。いつから、どうやって始めるか、スケジュールを決めないと組織は動かない。

 もちろん不測の事態には対処的に対応しなければならない。どんなに準備していても応急対応に追われることもある。臨機応変に対応することが大切である。

 一方、プロジェクトに対しては戦略的なアプローチが大切になる。既存の組織を使うのではなく、課題に応じた戦略を立て、組織・日程をつくる。

 学校には様々な課題が日々存在する。いきなり全てを解消しようとしても難しい。問題を分けて考え、一つ一つ対処していくこと。

 組織づくりは人づくり。モチベーションコントロールに尽きる。先生方に自己重要感をどう味わわせるか。人間は人から認められることを渇望している。それをどう承認していくかである。

 人はどんなときに動くか。まずは地位や役職の力である。しかしこれは使い過ぎると人望を失う。相手を上回る知識や技能、経験の豊富さがあるからこそリスペクトされる。

 また、身近な存在として共感されること。相手を認める利他性が感じられる人のためには人は動く。知識や技能を持つエキスパートや、人望を得るリスペクトは、他人が判断するものである。自分磨きに努め、子どもたちのため力を貸していただきたい。

(関係団体 2022-10-17付)

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