【解説】整備ルーターの有効活用を(解説 2022-10-24付)
会計検査院によると、2年度に国の補助事業を活用して整備された家庭用モバイルワイファイルーターのうち、調査対象の8割の教育委員会で最大貸与率(家庭に貸与していたピーク時の割合)が50%未満にとどまっていたことが分かった。19日付で文部科学大臣に対し、家庭学習における使用促進と家庭学習以外での有効活用を図る方策を検討・周知するよう具申した。
会計検査院は、2・3年度に家庭学習のための通信機器整備支援事業を活用して整備したルーターの有効性を検証するため、事業を実施した21都道府県242教委が整備した計17万8325台の使用状況を調べた。
結果、最大貸与台数は6万5010台で全体の63・5%は一度も貸与されていなかった。最大貸与率が50%を下回った教育委員会は全体の79・8%に上り、ルーターが家庭学習に全く使用されていなかった割合は12・8%となっている。
貸与率が低調となっている主な要因を調査した結果、「貸与希望者が想定より少ないため」、つぎに「家庭学習が進んでいないため(家庭学習は緊急時のみ実施、家庭への持ち帰りを検討中など)」が多い。会計検査院は、文部科学省が平時における有効活用や就学援助等受給世帯以外への貸与などのルーターの適切な運用を求める一方、FAQなどで具体的な判断基準を示していない点を指摘。「事業主体の中には緊急時や就学援助等受給世帯に対してのみ貸与が認められると認識している者も見受けられた」と報告している。
このため、文科大臣に対し①ルーターの家庭学習における使用が低調となっている理由を事業主体に確認させた上で使用を促進すること②家庭学習における使用の妨げとならない範囲でルーターの家庭学習以外での有効活用を図ること―の2点を求めた。
(解説 2022-10-24付)
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