【解説】ＣＳポートフォリオ

（解説 2022-10-25付）

　「ＣＳを導入したが、学校運営協議会は適切に運営できているだろうか」「教職員の理解が得られにくいが、課題はどこにあるだろうか」「子どもや地域への効果は出ているだろうか」。文部科学省では、こうした成果や課題を可視化する自己診断ツール「ＣＳポートフォリオ」を作成した。

　学校運営協議会の質的向上を目指して開発したツールで、協議会の運営状況（自律性、対等性、持続性、熟議度、実効性、共有性）、子どもへの効果（資質・能力の向上、地域への愛着や貢献意識）、学校・家庭・地域の意識（地域と共にある学校という認識、教職員・地域住民・保護者の交流）、大人への効果（学校や地域への愛着、教職員・地域住民・保護者の信頼の高まり）などを数値化し、グラフで可視化する。

　ＣＳポートフォリオ作成ツールは、学校や教育委員会担当者が文科省にメール（cs-fb01@mext.go.jp）し入手。その後、担当者がＣＳ委員や地域住民、保護者、児童生徒、教職員へのアンケートをメールで転送し、ウェブ上で回答してもらう（紙媒体での調査も可能）。回答したデータを作成ツールに貼り付けることで、ＣＳポートフォリオが自動的に作成される。

　一例をみると、教職員への効果では「保護者・地域住民への信頼の高まり」７５％、「保護者対応の負担の減少」７５％、「授業力の向上」６８・７％などと効果が可視化され、また、協議会の運営について「協議内容について十分な情報発信が行われている」４４・４％など、協議会の運営の課題も見えてくる。

　文科省では、これらのデータをもとに関係者と対話する重要性を強調。データと対話をセットにすることで「今後の学校運営や協働活動の改善に向けたつぎなる一手を見いだすことができる」としている。

(解説 2022-10-25付)