【解説】ICTは地域移行の鍵になるか(解説 2022-10-27付)
経済産業省の3年度「未来のブカツ」ビジョン実証事業では、部活動の地域移行の受け皿として採算の合う事業体の運営について全国10ヵ所で検証した。結果、持続的に事業を運営する収入源の確保、必要な会費収入と保護者の受容負担の乖離、活動場所やコーチング機会の確保など構造的な課題が明らかになった。
部活動改革の課題は多くあるが、生徒の安全かつ安価で安定的な移動手段の確保はその一つとなっている。実証地域の滋賀県高島市域では山間部に位置する中学校から拠点となる市内中心部までの移動手段の確保が課題として浮上。解決策としてコミュニティバスや集合タクシーの活用が挙がったが、バスの運行時間は日中が主であり夕方の増便が困難であることから財源確保の問題が生じた。
このため、部活動の拠点校における練習とオンラインを活用した遠隔指導を組み合わせる指導体制を提案しており「平日は各校で練習してオンラインを活用しながらコミュニケーションを図り、週末は1ヵ所に集まる方式が現実的ではないか」と指摘している。
一方で、体育館やグラウンドにネット環境がない学校や、教室からの端末の持ち出しを禁止している学校があることから、端末の柔軟な活用方法について検討する必要があるとした。
国では5~7年度の3年間を部活動改革の集中期間に設定。各市町村でも検討会議の設置など次年度に向けた動きが広がりつつある。児童生徒数の減少に伴う学校規模の縮小や部活動の統廃合が進む中、特に多くの部員数を必要とする種目では学校単位でのチーム編成が困難な地域も多い。子どもたちが安定的・継続的にスポーツに親しむことのできる環境を構築するため、ICTを効果的に活用した指導体制の検証に期待がかかる。
(解説 2022-10-27付)
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