【解説】元国研調査官が改善方策
(解説 2022-11-02付)

 本年度調査報告書では新たに、元国立教育政策研究所学力調査官による調査結果の分析や授業改善の方策を掲載している。特に課題となった設問から求められる学習活動などを分析した上で具体的な学習活動や必要な指導上のポイントを示している。

平成30年度以来4年ぶりに実施した理科では、実験器具の名称や知識を活用する問題の正答率が全国よりも高い一方、記述式問題の正答率が低く無回答率も高い結果となった。

 報告書では要因として思考・判断の外化や思考・判断そのものができていないことが考えられるとし、主体的に取り組む原動力となる「問題を見いだす力の育成」や、記述による価値を捉えられる指導改善の必要性を示している。 

 GIGAスクール構想による1人1台端末の整備に伴い、各学校で活用が進んでいる。報告書では主体的・対話的で深い学びのイメージを共有したり、チームでICT活用の取組を行う富良野市立東小学校の取組を紹介している。

 端末を持ち帰った家庭学習の事例では、文部科学省のCBTシステム・メクビットの学力調査問題を活用している石狩市立花川南小学校や、民営塾と連携してオンライン学習を実施する比布町教委の取組を取り上げており、実践の具体や成果も示した。

 本年度の調査結果について道教委は、理由や根拠を示したり自分の考えを説明したりするなど思考・判断・表現の課題、授業以外の勉強時間が全国より短く、SNSやゲームの時間が長いことなどの課題を踏まえ、ICTの効果的な活用を含めた主体的・対話的で深い学びの実現に向けた組織的な授業改善、望ましい学習習慣・生活習慣の定着に向けた家庭や地域との連携などの取組の一層の充実が必要としている。

(解説 2022-11-02付)

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