釧路市小中校長会　木曜会　人を変えるのは教育　後継者育成で岡部教育長講話

（関係団体 2022-10-26付）

岡部教育長は市の教育課題などについて講話した

　【釧路発】釧路市小中学校校長会（本川敬一会長）は９月下旬、釧路教育研究センターで将来の学校経営などを担う後継者育成を目的とした研修会「木曜会」を開いた。釧路市教委の岡部義孝教育長が市の教育課題などを主題に講話。参加した１６人は管理職として資質・能力の向上に努めた。

　岡部教育長は、授業力向上など様々な課題に触れながら、小学校から中学校への接続が課題解決の一つのポイントになると指摘。中１ギャップの解消など、小中連携の重要性を強調した。

　また、９月に公表された「釧路市がめざす学校のすがた基本計画」の素案を提示。義務教育９年間を見通す小中一貫の施設一体型義務教育学校の導入は、中１ギャップなどの課題解決に向けた有効な方策の一つであるという考えを説明した。

　市内全小・中学校への学校訪問時に聞こえた子どもたちの「勉強が面白い」「学校に行きたくない」などの声を紹介。子どもや保護者は担任を選べないことから、単なる偶然で起こる事象によって子どもたちの可能性が変わることなど、教育行政を含め学校や教員の責任は重いと訴えた。

　子どもたちが、毎日楽しく生き生きと自分の夢に向かって学校に通うためにも、９年間をトータルで見通した教育の必要性を強調。小中連携の大切さと、現在取り組んでいる「小中ジョイントプロジェクト」への理解を求めた。

　また、日常に感じる「ふとした違和感」が大切であるとし、何気ない違和感は課題解決にもつながるとした。小学校から中学校、中学校から小学校への、それぞれの「違和感」は、忌憚なく言い合える学校を生み出す原動力にもなるとした。

　管理職として意識してほしいことに「先生以外の人とたくさん話をすること」を提案。学校という狭い視野だけではなく、様々な角度から物事を「見る・聞く・知る」ことなどは、人としての成長を促すとした。

　最後に「権力や財力は、一時、人を動かす力はあるが変える力はない。変えることができるのは教育」と力を込め、これから学校経営等を担う参加者たちにエールを送った。

(関係団体 2022-10-26付)