十勝管内へき地・複式研究大会 ICT活用し学び合い 西中音更小が算数科公開(関係団体 2022-10-26付)
5・6年生のICTを効果的に活用した授業を公開
【帯広発】第44回十勝管内へき地・複式教育研究大会音更大会兼音更町複式教育研究大会が12日、音更町立西中音更小学校(松井眞治校長)で開かれた。オンラインを含め約70人が参加。西中音更小が前年度から校内研究を重ねたICTを効果的に活用した算数科の授業を公開した。
大会テーマは「主体的・協働的に学び、ふるさとへの誇りと愛着をもった人間性豊かな子どもの育成」。十勝へき地・複式教育研究連盟、音更町複式教育連盟が主催した。
西中音更小は、低中高学年で2学年ごとの複式学級。前年度から「考えを深め、共に学び、互いに高め合う子どもの育成~ICTを活用し、自ら考え学び合いのある算数科の授業づくり」を主題とし、低学年・中学年・高学年の3部体制で全学級の授業研究を行うなど、校内研究を推進。算数科授業の適切な場面でICTを取り入れることで、内容の理解や定着、学習意欲の向上、論理的思考の育成を図っている。
8月末には十勝へき地・複式教育研究連盟と連携し、教師力向上ワークショップを実施した。道教育大学釧路校の早勢裕明教授が講師を務め、参加した教員を児童に見立てた模擬授業を展開。参加者は数学的活動を充実させる教師の働きかけを体感しながら学んだ。
大会では、全学年の算数科授業を公開した。
うち5年「分数のたし算、ひき算を広げよう」は11時間扱い、6年「およその面積と体積を求めよう」は5時間扱いでそれぞれ4時間目(井村充教諭、児童数・5年生1人、6年生4人)。モニター2台を各学年の前に用意して授業を進めた。
井村教諭は導入時、6年生に前時までの復習問題を配布した。6年生が教え合いながら問題を解いている間、5年生に指導。既習の通分の方法を振り返り、本時の課題を提示し「結果だけではなく、なぜそうなったかを説明してもらう」と伝えてから取り組ませた。
復習問題の丸付けを終えた6年生は、北海道を三角形と見立て、既習の縮図の求め方を用いておよその面積を算出した。
6年生が計算している間、井村教諭は5年生に課題の説明を求めた。児童はジャムボードを活用して数直線を作成し、3つの分数を順に並べるために通分する意味を説いた上で、過程と結果を解説。井村教諭の質問に対し、より詳しい説明を考えて加え、分母の公倍数を見つけることで通分ができることを主体的に学んだ。
北海道のおよその面積を求めた6年生は、音更町のおよその面積の算出に取り組んだ。グーグルスライドに映し出した町を長方形で囲み、書式設定オプションを操作して長方形の縦と横の長さを調べ、縮尺を交えて面積を算出。都道府県や市町村の地図を図形として見ることで、およその面積を求めることができることを学んだ。
授業後、校内実践発表、授業分科会を実施した。
(関係団体 2022-10-26付)
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