CS導入100%目指して 文科省黄地課長が行政説明(関係団体 2022-10-28付)
黄地課長は公民館を中心に広く社会教育について説明した
大会では、文部科学省総合教育政策局地域学習推進課の黄地課長が「社会教育の推進と施策の動向について」と題し行政説明を行った。地域のコミュニティーの活発化やデジタル社会の実現など、国の各施策でも公民館の役割が期待されていることを紹介。また、コミュニティ・スクール(CS)の導入率が道内ではまだ60%程度であることに触れ「100%を目指してほしい」と求めた。概要はつぎのとおり。
国のデジタル田園都市国家構想では「公民館や図書館などの社会教育施設の活用を促すことによって、地域にリアルな交流とデジタルの相乗効果が生まれ、課題解決に向けたコミュニティー活動が活発化することで、誰一人として取り残されない、デジタル社会の実現を図る」と明記するなど公民館への期待は高まっている。
ワイファイ環境が公民館は十分ではないが、デジタル化が進めば、オンラインによる学びやVR(仮想現実)を駆使した学びに変わる。オンラインで人とのつながりもできる。
GIGAスクール構想が進められており、公民館と学校がつながれば学びの場が広がる。北海道は広い。デジタル化のニーズは高い。
ただ、教育ではリアルの場も大切。ベストミックスをどうつくるかが課題であり、オンラインでつながり、実践はリアルで行うなど工夫が必要。
社会教育講座では、住民のデジタルリテラシー(最新のテクノロジーを業務に生かす能力)の向上を図ってほしい。このことは政府の新しい経済対策にも明記されている。
デジタルデバイド(情報通信機器を使える人と使えない人との間に生じる格差)も課題。寿都町の公民館のワイファイを活用した子どもの放課後学習支援事業「寿都町デジタル寺子屋」などが参考になる。
文化庁の社会教育事業費は一般財源化されており、市町村で申請し活用することが大切。その際、地域の総合計画に位置付けることが要因となっていることが多いので、首長部局と連携してほしい。
社会教育士は、社会教育主事講習を受けると付与される称号で、全国で2456人が活躍している。CSや公民館など教育委員会の管轄以外の企業やNPOなど、広い範囲での活躍が期待されている。
社会教育の重要性は高まっているが、社会教育主事は年々減っており、社会教育主事講習のオンライン化も考えている。
最後に地域と学校の連携・協働について。地域と親しかった校長が異動した途端、地域との関係が途絶えるのでは困る。
CSは、地域住民が学校運営の当事者として参画する。メリットは、学校の業務の在り方を膝詰めで話し合うことができ、超過勤務の大幅な減少や、地域と一体となった見守り活動による補導数の激減などがある。
北海道はまだ導入率が60%ほどなので、ぜひ100%を目指してほしい。
CSは、国を挙げて推進していくべきものである。文科省では、来年度予算概算要求に前年度比大幅増の102億7200万円を充て、地域と学校の連携・協働体制構築事業を推進する。
地域学校協働活動推進員1万人の常駐化、都道府県等教委へのCSアドバイザーの配置などによって体制構築を支援していく。
地域と学校をつなぐ地域学校協働活動推進員や、CSマイスターの助言を受け学校や教育委員会に助言を行うアドバイザーなどを配置し、支援体制を構築していく。
これからも皆さんと力を合わせ社会教育を盛り上げていきたい。
(関係団体 2022-10-28付)
その他の記事( 関係団体)
12日に第4回開催 ほっかいどう学シンポジウム インフラとGIGAスクール
ほっかいどう学推進フォーラム(新保元康理事長)は、12日午後2時から札幌ビューホテル大通公園で第4回シンポジウム「GIGAスクールとインフラで創る北海道の未来~ICT活用で、北海道の子ども...(2022-11-02) 全て読む
道学組連合会 第59回定期大会 全道庁労連への加入承認 運動方針 賃金・事務改善など
道公立学校職員組合連合会(道学組連合会)は10月上旬、ホテルライフォート札幌で第59回定期大会を開催した。職員組合定期大会において、全道庁労働組合連合会への加入が承認されたことを確認。今後...(2022-11-01) 全て読む
連合会会長は小山内氏 2022年度役員
道公立学校事務長組合および道公立学校職員組合、道公立学校職員組合連合会の2022年度役員はつぎのとおり。 =敬称略= ▼事務長組合 ▽執行委員長=小山内智(当別高)―新 ▽副執行委...(2022-11-01) 全て読む
北特活 創立50周年記念札幌大会 特活の価値と意義広めて 集団や社会に参画する力を
道特別活動研究会(北特活、山下尊子会長)は10月22日、オンラインで創立50周年記念札幌大会を開催した。道外を含む約130人が参加。研究主題「多様な他者と協働し、集団や社会に参画する力を高...(2022-11-01) 全て読む
全国教育研究所連盟 北海道大会 学校支援機能の向上を 令和の日本型学校教育実現へ
全国教育研究所連盟(全教連)と道立教育研究所は10月28日、オンラインで「全国教育研究所連盟研究協議会(北海道大会)兼第77回道教育研究所連盟研究発表大会(札幌大会)」を開催した。全国から...(2022-11-01) 全て読む
第44回全国公民館研究集会道大会 地域と共にある施設に 道公民館協会、全公連等主催
主催は同協会と全国公民館連合会(全公連)、道公民館振興首長会。道教委社会教育課が共催。道内の高校生約50人をはじめ、道内外の教育委員会、市町村、学校などから約200人が参加した(一部オンラ...(2022-10-28) 全て読む
地域を作る社会教育を 銭谷元文科事務次官が講演
大会では、新国立劇場運営財団理事長の銭谷氏が「地域に育つ若者のまちづくり~社会教育のこれからを考える」と題し講演した。文科省の事務次官を務めた銭谷氏は、今後の社会教育について「最も重要なの...(2022-10-28) 全て読む
社会担う生徒育成を 道技術・家庭科教育研究十勝大会
【帯広発】第74回道地区技術・家庭科教育研究大会十勝大会が13日から2日間、帯広市内のとかちプラザなどで開かれた。研究主題は「社会に“いきる”技術・家庭科教育~主体的に生活を創造する生徒の...(2022-10-26) 全て読む
十勝管内へき地・複式研究大会 ICT活用し学び合い 西中音更小が算数科公開
【帯広発】第44回十勝管内へき地・複式教育研究大会音更大会兼音更町複式教育研究大会が12日、音更町立西中音更小学校(松井眞治校長)で開かれた。オンラインを含め約70人が参加。西中音更小が前...(2022-10-26) 全て読む
釧路市小中校長会 木曜会 人を変えるのは教育 後継者育成で岡部教育長講話
【釧路発】釧路市小中学校校長会(本川敬一会長)は9月下旬、釧路教育研究センターで将来の学校経営などを担う後継者育成を目的とした研修会「木曜会」を開いた。釧路市教委の岡部義孝教育長が市の教育...(2022-10-26) 全て読む