高校づくり指針意見聞く会〈オホーツク〉 生徒の修学機会確保を 特例校再編 10人未満求める声
(道・道教委 2022-11-21付)

 道教委では、平成30年に「これからの高校づくりに関する指針」を策定し、学校や地域の実情に応じて、多様なタイプの高校づくりを進めてきた。

 しかし、少子化の進展による小規模校化が進む中、生徒の学習ニーズの多様化に対応できる高校づくりと、生徒の修学機会の確保や地域創生の観点に立った教育機能の維持の両面からの高校の在り方の検討がこれまで以上に重要になっていることを受け、9月に指針を見直し改定版素案をまとめた。現在、道内各管内で関係者の意見を聴取している。オホーツク管内からは町長や教育長、小・中・高校長のほか、PTA会長らが参加した。

 開会に当たり、野上義秀オホーツク教育局長は、改定版策定の趣旨を説明した上で、忌憚のない意見を求めた。

 道教委担当者が素案について説明。地域連携特例校の充実に向けた取組や、普通科新学科の設置、地域の実情に応じた高校配置の在り方などについて解説した。

 意見交換では、佐呂間町教委の谷川敦教育長が、地域連携特例校の再編整備について、素案に示されている修学機会の確保の点を指摘し「再編整備によって通学が困難になると修学機会の確保が難しくなる。その2つをどう折り合わせていくのか」と質問。

 これに対し道教委の担当者は「修学機会については確保できるよう十分考えなければいけない。一方で、生徒の学習環境のためにも一定の生徒数は必要。修学機会の確保と学習環境の両面を考慮して検討を重ねていく」と伝えた。

 清里町教委の岸本幸雄教育長は、地域連携特例校について、年によって志望人数に変動があり、集中取組期間も効果が出るまで2、3年は必要とした上で「2年連続20人未満で再編整備ではなく、離島の学校と同じように10人未満にしてはどうか」と要望。これに対しては「その地域の実情を総合的に勘案し、意見を取り入れながら検討させていただきたい」とした。

 遠軽高校の大西孝拡PTA会長は、道外からの入学者の受け入れについて「現在は定員の5%となっているが、高校生の多様なニーズに応えるためにも、さらに柔軟に考えてもいいのでは」と要望。担当者は「これまでも少しずつ改善を図ってはいるが、今後も、より多くの生徒が興味・関心に応じて望む学校に行けるよう検討を進めたい」と答えた。

 訓子府町教委の林秀貴教育長は「学校規模や人数だけでは測ることのできない要素についても考慮するとともに、学校の役割や圏域内でのバランスも考えながら配置計画を行ってほしい」と求めた。

 最後に、道教委高校教育課の小倉賢治課長補佐があいさつ。「今後の改定版の原案の策定に当たり、いただいた意見を参考にしながら、さらに検討を重ねていきたい」と高校を取り巻く環境の変化に対応した教育環境の充実に向け、引き続き理解と協力を求めた。

(道・道教委 2022-11-21付)

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