道教委 防災サミット提言 世代つなぐ架け橋に 高校生130人 防災の輪広げる(道・道教委 2022-11-22付)
高校生防災サミット
道教委は18日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で道高校生防災サミットを開催した。道内外の高校生ら約130人が集い「地域を守る 命を守る~高校生の私たちが、今できること」をテーマに協議。様々な世代間の架け橋となる高校生の役割や、防災ネットワークの構築と防災意識の向上に向けた決意を示す提言をまとめた。
高校生防災サミットは、元年度に道内で開かれた「世界津波の日」高校生サミットの成果を踏まえ、安全で安心な社会づくりに貢献できる資質・能力の育成を目指し3年度から開催している。
全体テーマは「地域を守る 命を守る~高校生の私たちが、今できること」。本年度から特別支援学校や防災教育に先進的に取り組む宮城県と熊本県の生徒も加わり、38校から約130人が参加した。
生徒たちは、大学教授や災害分野の専門家によるオンデマンド講演や事前学習、オンラインでの意見交流に参加し当日に備えた。
札幌市内の会場と地方会場をオンラインでつないで開催。開会に当たり倉本博史教育長は、共に学び、考え、行動する高校生の絆を深め、自然災害から命を守る地域づくりの一員となるよう期待し「サミットで得た成果を全道の高校生に発信し、防災・減災に向けた取組を全道に広げてほしい」と述べた。
続いて3分科会に分かれて協議。防災物品の確保、地域の特性を踏まえた避難訓練、避難所の運営イベントの開催など防災・減災に必要な事項を話し合った。高校生の役割として、避難時における障がい者の支援や各種イベントを通じた情報発信など様々な意見が上がった。
全体会では滝川高校の高校生が防災学習の実践を発表。東日本大震災の津波被害を学んだ東北研修をもとに自然災害の脅威や避難時の心構えを伝えた。
全体交流後に提言を発表。3つの観点から防災・減災に向けた考えをまとめ、今後の自然災害から地域や命を守るために行動する決意を示した。助言を担った道教育大学釧路校の境智洋教授は「高校生の行動が地域や人々の意識を変え、命を守ることにつながる。防災を目的だけではなく手段として使い、安全・安心な社会をつくって」と呼びかけた。
伊藤伸一学校教育局生徒指導・学校安全担当局長は「心と知恵を結びこれまでの行動力を重ねたこの宣言をつなぎ、防災の輪を地域に広める取組をさらに進めてほしい」と期待した。
道高校生防災サミットでの提言内容はつぎのとおり。
私たちは、豊かな自然あふれる北海道において、自然の恩恵と自然災害との両方の側面を理解して、それを受け止めながら暮らしています。
本年、「北海道高校生防災サミット」が開催され、「地域を守る 命を守る~高校生の私たちが、今できること」をテーマに、防災・減災の取組を進めていくために必要なことなどについて話し合いを行いました。
私たちは、サミットで得た成果を学校や家庭、地域と共有して防災の輪を全道に広げ、今後直面する可能性がある様々な自然災害から、地域や命を守るために行動することを決意します。
▼災害時に自らの命を守り抜くために、
▽私たちは、周りの高校の取り組みを知るために高校生同士で共有、自発的に発信することができるネットワークを作り、自分の命を守り抜くために行動します
▽私たちは、一人ひとりが自らの命を守るためにクイズや学校の授業、防災小説などのイベントを通して楽しく防災について知る機会を作り、災害に対しての備えに取り組みます
▼地域防災力の向上のために、
▽私たち高校生は、様々な世代間の架け橋になり、周辺地域に広報などの防災活動を積極的に行います
▽私たち高校生は、他地域と情報や知識の交流をし、相互的に反映しあうことで全道レベルでの防災力向上に努めます
▼私たち一人ひとりの防災意識を高めるために、
▽私たちは、生徒主体の取り組みを通じて、地域の特色に合わせ、よりリアルで身近に感じられる防災活動を自主的に行います
▽私たちは、コロナ禍においても、動画やパンフレット等を用いて地域・行政と連携し、学校の外へも防災の輪を広げていきます
(道・道教委 2022-11-22付)
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