道教委 檜山で特別支援教育セミナー 幼・小の接続意識して 今金町の実践発表や講話等(道・道教委 2022-11-21付)
【函館発】道教委と檜山振興局は17日、障がい児等支援体制整備事業・発達支援関係職員実践研修と特別支援教育総合推進事業・特別支援教育充実セミナーをオンライン開催した。幼・小のつながりを意識した今金町の実践発表や関係機関の相互連携に関する講話などを通して成果や課題を共有。福祉・教育機関の連携の重要性について理解を深めるとともに、教育的支援を必要とする幼児児童生徒の指導や支援の充実を目指した。
合同開催の研修およびセミナーには、管内各町における障がい児福祉・子育て支援の担当職員や公立幼稚園、小・中学校、高校の特別支援教育コーディネーターら約30人が参加した。
本年度、発達障がい支援成果普及事業の推進地域に指定されている今金町の実践を共有。町教委の澁澤篤憲主幹と今金小学校の支援員で認定こども園いまかねの須田亜未保育教諭が発表した。
町では「育ちの支援から就労支援体制」を重点に、多機関と連携した包括的支援体制を構築している。
本年度は「子ども子育てプロジェクト」として、認定こども園いまかねと人材マネジメント業務を契約。学童保育所、発達支援センター、こども園を含めた3施設の人材交流を、こども園のマネジメントによって開始している。
澁澤主幹は保育教諭を今金小に派遣し、幼小接続を強化するなど、つながりを意識した体制の確保に努めていることを紹介。
現在、今金小1年生の学級支援員として勤務している須田保育教諭は情緒、学習面に遅れが見られる児童に、担任と分担しながら関わっていることを説明し、発達支援センターに通所している児童の支援事例を共有した。
支援員に助けを求めることができず、学習に遅れが見られた児童の困り感解消に向け、発達支援センターで活用している「おねがい・おたすけカード」を小学校でも導入。カードを児童が使いやすい場所に設置する視覚的支援によって、支援員に助けを求められるようになったエピソードを紹介。「3施設を巡回しているからこそ、対応できる」と強調。児童が安心して楽しく通えていることがうれしい」と連携の成果を話した。
校内における支援体制の充実については、今金中学校の神田知美教諭が説明。特別的な配慮が必要な生徒の進路指導について、具体的な生徒の事例をもとに発表し「先入観を持たないこと」「本人の希望を深めさせた上で、保護者と適正を共有することが重要」など、支援の具体策を挙げた。
関係機関の相互連携に関する講話では、今金町発達障がい支援推進アドバイザーの楢原永都子氏が「連携の力でひとづくりまちづくり」と題し、地域の中で支え合う人間関係の重要性を示した。
演習・協議では、道発達障害者支援センターあおいそらの片山智博センター長が講師を務めたほか、参加者が「各地域におけるネットワークの充実」をテーマにブレイクアウトルームで各町の実態を意見交流。発達支援に関する支援技術の向上に向け、研鑚を積んだ。
(道・道教委 2022-11-21付)
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