渡島公立学校教頭会が研究大会　校長と共同経営意識を　渡島局・浦田指導監講演など

（関係団体 2022-12-02付）

渡島公立学校教頭会研究大会

　【函館発】渡島公立学校教頭会（附田勇人会長）は１１月２６日、第５７回研究大会をハイブリッド形式で開催した＝写真＝。研究主題「子どもの学びを保障するための組織作りに係る教育環境整備と、組織の活性化を目指した教頭のマネジメント力の向上」のもと、管内各市町の実態を踏まえて取り組んだ研究成果と課題を共有。講演では、渡島教育局の浦田慎一義務教育指導監が今後の校長採用を見据え、望ましい学校経営の在り方を解説。「校長と教頭の共同経営を意識して」と呼びかけた。

　同会は全国公立学校教頭会、道公立学校教頭会と連携を図りつつ、教頭の資質向上に向け、管内の地域性を踏まえた研究を推進してきた。本年度は第１５次３ヵ年継続研究の最終年。２年度から３ヵ年にわたって全国統一研究課題の第４課題「組織・運営に関する課題」を重点に据え、子どもの学びの保障に向けた教育環境整備や、教頭の組織マネジメント力向上について、異校種や関係機関との連携による教育効果を探っている。

　大会は、３年度と４年度に昇任となった教頭が七飯町立大中山小学校に参集。その他の教頭はオンラインで参加するハイブリッド形式で開催し、管内の小・中学校、義務教育学校の教頭５５人が出席した。

　開会に当たり、附田会長は「本年度は研究計画のまとめの年。参加者にとって有意義な研修となることを期待している」とあいさつ。

　講演では、渡島局の浦田義務教育指導監が「少し先の学校経営に向けて」と題し、校長採用を見据えた人材育成の一環として、国や道の方向性を踏まえた望ましい学校経営について解説した。

　道の教育理念である「自立」「共生」を例に挙げ、時代の変遷や各地域の実情をもとに、正しく認識する必要性を指摘。「子どもたちが輝く学校に結び付けていくことが校長の役目。国による教育改革の動向や各地域の首長の方針を踏まえつつ、各校の実践を学校経営方針やグランドデザインに反映させてほしい」と述べた。

　自身の経験を振り返り「学校経営を着実に学ぶ機会は少ない。校長と教頭の共同経営で互いに学び合ったり、教頭会で経営研修を開いたりして、理解を深めてほしい」と要請した。

　講演後、同会の研究概要を北斗市立島川小学校の足立雅行教頭が報告したほか、研究課題「組織の活性化を促す教頭のマネジメント」について、松前町立大島小学校の松本秀昭教頭、北斗市立石別中学校の鳴海清英教頭、長万部町立長万部中学校の猪狩武彦教頭の３人が代表して提言発表。

　うち大島小の松本教頭は、行事等の精選やクラウドサービスと共有フォルダの併用などの環境整備によって、教員の協働体制だけではなく、欠席児童の学習保障にもつながった成果を周知。一方、人事異動後のミドルリーダー育成を課題とし、校長の権限と教頭の具申をうまく組み合わせる打開策を今後研究していく方針を示した。

　意見交換では、ブレイクアウトルーム機能などを活用し、それぞれの地域や学校における課題や成果を交流した。

(関係団体 2022-12-02付)