十勝管内小中教頭会が研究大会　教職員の自走支援して　住田湘南学園長の講演など

（関係団体 2022-12-02付）

　【帯広発】十勝管内小中学校教頭会（小副川浩会長）は１１月中旬、十勝幕別温泉グランヴィリオホテルで４年度研究大会を開いた。全体会や研究発表、学校法人湘南学園の住田昌治学園長による講演を通して、教頭としての資質・能力を高め、相互の連携を深めた。

　同会は本年度「十勝の特性を踏まえ、新時代に対応した学校運営のあり方～変化に柔軟に対応し、同僚性に富む教職員集団づくりへの教頭の役割」を主題に研究を推進。時代の変化に柔軟に対応した教職員の資質・能力、実践力向上とともに、連携・協働体制の構築を目指し取り組んでいる。

　開会に当たり、小副川会長は教育現場における今日的な課題に触れ「現在の状況を、学校改善を推進する絶好の機会と捉え、教頭間のつながりの中でマネジメント力を高め、持続可能な“次世代の学校”づくりにまい進してほしい」と期待を寄せた。

　全体会では、研修部を務める鹿追町立鹿追中学校の髙嶋幸太教頭が提言発表。分科会は①教育課程②子どもの発達③教育環境整備④組織・運営⑤教職員の専門性―の５グループで行われ、十勝教育局の児玉祥洋義務教育指導班主査が全体講評した。

　続いて、学校法人湘南学園の住田学園長が「教職員が自走するリーダーシップとマネジメント」と題して講演した。同氏は学校組織マネジメントや働き方等に見識が深く、数々の講演や執筆活動を行っている。

　住田学園長は、激変する社会環境で臨機応変な対応が求められる中、自分で考え主体的に行動する、教職員の自立性を育む重要性を説いた。自律は「やるべきこと」「やれること」「やりたいこと」の３要素から成り立ち、自発的に学ぶ文化や挑戦を受け入れる風土によって、自分の意志や価値観を持って仕事ができる組織体制を構築する必要があることを強調。価値観は経験によって育まれるため「全ての人が異なる価値観を持つことが前提」とした上で「しがらみのない議論ができることが重要」と伝えた。

　また、教頭の役割として「教職員が自走できるよう支援する」「自分の力ではなく、教職員の力で成果を出す」「力を抜いて、教職員が内に秘めている力を最大限に引き出す」の３点を挙げた。

(関係団体 2022-12-02付)