道小学校家庭科教育研究大会札幌大会 豊かな心と実践力育成 新札幌わかば小6年の授業公開
(関係団体 2022-11-30付)

小学校家庭科教育研究大会
不織布でバッグの試しづくりに挑戦する児童たち

 第60回道小学校家庭科教育研究大会札幌大会および第14回札幌地区小学校家庭科教育研究大会が25日、札幌市立新札幌わかば小学校で開かれた。大会主題「豊かな心と実践力を育み、未来を拓く家庭科教育」のもと、6年生家庭科の授業を公開。タブレットバッグ製作に向けた試し作りを通して、実生活での経験を踏まえた適切なサイズの決め方などを学んだ。

 道小学校家庭科教育連盟(栃尾美加子会長)が主催。大会主題をもとに、研究主題を「自らよりよい生活を創り出す子供」と設定。研究の視点に①日常生活から疑問や気付きを生む題材構成②子供の言葉や行動が変化する教師の関わり―の2点を据え、「豊かな心」と「実践力」を授業の中で同時に育てていく学習の在り方について研鑚を積んでいる。

 はじめに、6年2組家庭科「生活を豊かにソーイング~タブレットバッグを作ろう」(酒井英希教諭、児童数36人)の授業を公開。本時は11時間扱いの2時間目。タブレットバッグ製作に向けて、不織布を使っての試し作りを通して、ゆとりの必要性を理解させることをねらった。

 酒井教諭は冒頭、身の回りにある袋には目的に合わせた様々な工夫があることを学んだ前時までの学習を振り返ったあと、本時で使用する不織布を見せ「タブレットバッグを作るためには、どこを縫えば良いか」と課題を投げかけた。

 児童たちは、タブレットのサイズ(縦20㌢㍍、横29㌢㍍、厚さ2㌢㍍、周囲62㌢㍍)を確認したあと、ワークシートに何㌢㍍で線を引くか、その理由を記載。タブレットを収納できるサイズを29~35㌢㍍の範囲で予測し、不織布をホチキスで止めて入るかどうかを試した。

 29㌢㍍とした児童は「入らなかった」、30㌢㍍、31㌢㍍とした児童たちは「ぎりぎり入ったけれど、取り出すのに苦労しそう」「もう少し余裕があると思ったけれど」「思っていたよりもきつい」、34㌢㍍以上とした児童たちは「入るけれどぶかぶかだ」などと話した。

 酒井教諭は「どうして入らなかったり、大き過ぎたりしたのだろう」と問いかけた。児童たちは「厚みを考えないといけなかった」「余裕を持たせ過ぎた」などと発言。その上で、酒井教諭が「友達が作った袋を借りて、タブレットを入れてみよう」と呼びかけた。

 児童たちは、32㌢㍍、33㌢㍍とした友達の袋に入れてみると「ぴったりだ!」「どちらもぴったりだけど、33㌢㍍の方が好きだな」「そういえば今までピチピチな袋は使ったことがなかった」などと話し、入れるものに適した“ゆとり”が必要なことを理解した。

 このあと、全体会を開催。道小学校家庭科教育連盟研究部部長で札幌市立前田中央小学校の髙梨美奈子教頭、研究部副部長で札幌市立手稲山口小学校の船木正美教諭がそれぞれ研究提言したあと研究協議を開き、小学校家庭科教育のさらなる深化を目指した。

(関係団体 2022-11-30付)

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