高校づくり指針意見交換会〈石狩〉 生徒の通学手段充実を 普通科新学科や単位制で質問
(道・道教委 2022-12-02付)

これからの高校づくり意見交換会
これからの高校づくり意見交換会

 道教委は11月中旬、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見交換会(石狩管内)をオンライン開催した=写真=。道教委担当者および管内教育関係者ら約50人が参加。意見交換では、普通科新学科の在り方や単位制導入の判断に関する質問、通学に関わる交通機関の充実などへの要望が上がった。

 道教委は9月、同指針の改定版素案を策定。現在、各管内で関係者の意見を聴取している。意見交換会には、石狩管内の教育長、小・中・高校長、教頭らが参加した。

 はじめに石狩教育局の田中賢一局長があいさつ。指針改定の趣旨と策定までの経緯を説明した上で、忌憚のない意見交換を期待した。

 引き続き、道教委高校教育課の担当者が素案の内容を解説。地学協働の推進、普通科新学科の在り方、高校再編整備留保の考え方などについて解説した。

 意見交換では、札幌北高校の林正憲校長が「所在する高校以外への通学が困難な市町村で学科の再編を進めた場合、その地域にいる中学生はどのような高校教育を受ければいいか、どのような学校に行けばいいか」と質問した。

 道教委の担当者は「通学が困難としている市町村にある高校は、最終的には地域連携特例校になる。中学生が進学に悩むような状況をつくらないように、道立高校の教育環境を確保できるよう取り組む」と回答した。

 北広島市教委の田孝志教育長は、普通科新学科について「探究的な学びは普通科新学科だけではなく、普通科も時間を確保しているのか」と質問。

 道教委担当者は「普通科においても取り組んでいる。しかし、普通科新学科は地域や地元企業のコンソーシアムを設置するため、そちらの方が学びが深まりやすい。設置予定の釧路湖陵高校や大樹高校の取組・成果を検証しながら、今後の普通科新学科の在り方を検討していく」と述べた。

 とうべつ学園PTAの津崎弘樹会長は「地域に高校が1ヵ所しかないところがある。子どもたちが自由に学校を選択するためにも、交通機関を増やすなどの対策をしてほしい」と要望。道教委担当者は「子どもたちの選択肢がなくならないよう、併せて検討していく」と述べた。

 札幌啓成高校の近藤浩文校長は、単位制について「地域の要望や単位制高校の配置状況を総合的に勘案しながら導入・充実について検討するとある。地域からの要望があるにもかかわらず、単位制が導入されない条件はどのようなものなのか」と質問。

 道教委担当者は「一定の圏域で高校の配置・役割を考えるという方向性を示している。一定の圏域で単位制の高校がある場合、地元の中学生のニーズが過剰に満たされてしまうため、導入するか否かを議論することとなる」と述べた。

(道・道教委 2022-12-02付)

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