高校づくり指針意見を聞く会〈渡島〉 集中取組期間期限撤廃望む声 「圏域」範囲に関する質問も
(道・道教委 2022-12-02付)

高校づくり指針改定版素案意見を聞く会
高校づくり指針改定版素案意見を聞く会

 【函館発】道教委は11月29日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見を聞く会(渡島管内)をオンライン開催した=写真=。管内の教育関係者約60人が参加。意見交換では、地域連携特例校における再編整備留保に向けた「集中取組期間」の期限撤廃を要請する声が上がったほか、複数の市町にまたがる「圏域」ごとの高校配置について、具体的な範囲を問う質問が寄せられた。

 柴田亨渡島教育局長があいさつしたあと、道教委高校教育課の山根祐俊主査が素案の概要を説明。地域とつながる高校づくり、活力と魅力ある高校づくりや公立高校配置計画、教育諸条件等の整備などについて周知した。

 道教委が9月に公表した指針見直し改定版素案では、再編の対象を生徒数が2年連続20人未満と明記。地域連携特例校などは「集中取組期間」を設け、再編を留保するとしている。

 これに対し、函館市教委の俊行教育長は市内の地域連携特例校、南茅部高校について「新1年生を10人確保すれば高校は存続できるという認識が保護者の間で定着しつつある。集中取組期間の設定方法など、地域住民に丁寧に行っていく必要がある」とし、配慮を求めた。

 福島町教委の小野寺則之教育長は「若者の流出によって、町の過疎化に拍車がかかる」とし、集中取組期間の期限撤廃を強く要望。次年度から全国募集を開始する福島商業高校の存続に向け「地域や学校が支援している実情を理解してほしい」と述べた。

 道教委の山城宏一高校教育課長と小倉賢治課長補佐は、「少子化が著しく進行している道内の状況を説明した上で「各校や地域では、魅力ある高校づくりや近隣町の連携、首長部局を巻き込んだ取組が求められる」とし、近隣地域と連携した高校の魅力化づくりを検討するよう助言した。

 また、素案では道立高校の半数で1学年3学級以下となっている状況を踏まえ、複数の市町村がまたがる「圏域」ごとに高校配置を検討し、教育維持の向上を図るとしている。

 新指針の策定委員として携わった函館大学付属有斗高校の山田伸二校長は、私立高校に対する定員調整の配慮に感謝を示しつつ「圏域内として範囲を広げると、生徒が函館市近郊に一極集中する可能性がある」と地域格差を危惧。

 森町教委の毛利繁和教育長と、函館大学付属柏稜高校の扇柳尚英校長は圏域の設定範囲を尋ねるとともに「生徒の通学エリアが広がるのであれば、通学費補助についても検討してほしい」と求めた。

 山城課長は「都市部を中心に周辺の町から概ね1時間程度で通える範囲を想定している。都市部と過疎部の差がないよう、慎重に判断していきたい」と述べた。

(道・道教委 2022-12-02付)

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