高校づくり指針意見を聞く会〈檜山〉 定員見直し定数改善を 特例校の集中取組期間に関心
(道・道教委 2022-12-01付)

 【函館発】道教委は11月22日、「これからの高校づくりに関する指針」改定版素案に係る意見を聞く会(檜山管内)をオンライン開催した。管内の教育関係者ら28人が参加。意見交換では、地域連携特例校における「集中取組期間」の具体について質問が上がったほか、学級定員の見直しによる定数改善を求める声が多数上がった。

 開会に当たり、檜山教育局の近藤史郎局長は、同指針改定版の趣旨と策定までの経緯を説明し、忌憚のない意見を求めた。

 道教委高校教育課の担当者が素案の概要を説明。地域とつながる高校づくり、活力と魅力ある高校づくりや公立高校配置計画、教育諸条件等の整備などについて周知した。

 素案では、現行指針で望ましい学校規模としていた「1学年4~8学級」記載を削除。地域連携特例校などでは、生徒数が2年連続20人未満となった場合「集中取組期間」を設定し、再編を留保するとしている。

 意見交換では、地域連携特例校の上ノ国高校がある上ノ国町教委の矢代智樹教育長が期間の具体的な年数を質問。

 道教委の担当者は「全道一律の年数ではなく、高校や地域の実情に応じて個別に検討する方が望ましいと考えている」と回答。地域とつながる高校づくりの取組が工夫・改善されていくことを勘案するとともに、学校における中卒者の状況や地元進学率の向上なども、再編整備の留保期間を設定する要素となることを伝えた。

 江差商工会の赤石智恵美会長は、地元への進学率向上の一助として、高校と小・中学校間の連携機会を設置する必要性を強調。

 教職員の業務改善を図り生徒の充実した教育の実現に向け、1学級当たりの定員数減などを要望した。

 江差町教委の出﨑雄司教育長は「地域や行政が学校運営・経営に参画する組織づくりや生徒自身による自主的・実践的な学校づくりの取組を促すことで、選ばれる高校づくりをしてほしい」と要請。赤石会長と同様に、1学級当たりの定員減を道の独自事業として行うよう求めた。

 道教委の担当者は「道の単独加配を現行以上に増やしていくことは困難であるが、国の定数改善を待つだけではなく、要望を続けることで、改善方法を検討していきたい」と答えた。

 このほか、江差町立江差小学校の谷口光伸校長は「小規模校が生徒・保護者の高校に求めるニーズに応えるため、管内高校間による授業連携などによって、他校の教諭による授業を受けられるようになると良い」と提案。

 上ノ国高の佐々木雅康校長は、習熟度別に遠隔授業と対面授業を分けて活用している取組を説明した上で「大学進学希望者が、どの大学に行っても授業を受けられるための学力を生徒に身に付けさせることがわれわれの一番の使命と思っている」と述べた。

 最後に道教委高校教育課の小倉賢治課長補佐があいさつ。「いただいた意見を踏まえ、来年3月をめどに指針改定版を策定させたい」と述べ、引き続き理解と協力を求めた。

(道・道教委 2022-12-01付)

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